BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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チームワンツー連発!の3日目後半ピットから

 8R、10R、12Rがレディースワンツー。8Rは、待機行動違反や昨日の大敗連続でリズムを崩していた高憧四季がまくり差しを決めて、イン原田佑実が残しての大阪ワンツーでもあった。準優行きは厳しいかもしれないが、リズムを立て直すことに成功した高憧の表情は、やはり明るい。原田の差されてしまったとはいえ、後輩とのワンツーということもあってか、沈鬱な雰囲気にはなっていなかった。同組ワンツーはすんなり団体ポイントゲットということでもあるから、満足度も高いだろう。

 10Rは高田ひかるが逃げて、平高奈菜が2着。SG経験組が順当に上位を占める結果となったのだった。平高は1マークでまくり差しが不発に終わって後退したものの、2マークでは全速で抜き去っての2着逆転。結果的に悪くないレースぶりだったと言えるだろう。肩を並べて控室と戻るふたりは、笑顔爆発。言葉を交わしながら、甲高い笑い声も時にあげながら、ご機嫌で控室へと消えていったのだった。やっぱり笑顔はいいですね。

 12Rは逃げた倉持莉々、まくり差した鎌倉涼が大接戦。鎌倉が競り勝って、2連単③-①のレディースワンツーとなった。大接戦を演じたということで、鎌倉と倉持は笑顔でレースを振り返り合う。特に鎌倉のほうはしっかり先着を果たしたのだから、笑顔はより深かった。で、倉持のほうはというと、ヘルメットを取ったときにはやはり競り負けた悔しさも目元のあたりに感じ取れた。ワンツーを喜び合ったとしても、敗れたこと、しかも1号艇で敗れたことの悔恨が生じないわけがない。

 9Rはルーキーズワンツー。宮田龍馬が逃げて、2コースから牧山敦也が差し順走。内枠勢がしっかりと団体ポイントを獲得している。しかしながら、8R、10Rとはまるで違う雰囲気。宮田は引き締まった表情、かつ充実した表情で控室へと力強い足取りとともに向かったのに対して、牧山は悔し気な顔を隠さなかったのだ。差しは的確で、モニターでは決まったかと思うほど宮田に迫ったが、届かず。惜しい2着だっただけに、そちらのほうが頭を占めていたということか。控室ではポイントゲットの歓喜を分かち合っていたかもしれないが、まずは自身の敗戦が頭をよぎる。団体戦とはいえ、ボートレーサーとしてその感覚は間違っていまい。

 11Rもルーキーズワンツーだ。1号艇・末永和也、2号艇・安河内健の佐賀A1コンビが順当にワンツー決着を決めたのだが、これもまた明暗分かれるレース後なのであった。安河内が末永を差し切ったのだ。末永としては必勝の一戦だったはずだが、まさにライバルの一人と言える同支部の先輩に差されたわけで、2着とはいえ、これは悔恨が高まるというものだ。レース後はエンジン吊りをヘルプした九州地区の面々としばし話し込み、一人で控室へ。
 一方、安河内としてはしてやったりの差し切りではあるが、やはり末永の心中を慮ったか、淡々としたレース後。末永には左手を軽くあげて労ったのみで、むしろ他の選手との会話も避けるようにして、真っ先に一人で控室へと消えた。控室での両者の様子はもちろん窺い知れないが、レース直後にはどこか複雑なものも垣間見えたのであった。

 さてさて、その11R3着は深見亜由美。今日は3着2本でマンシュウを叩き出している。その深見、今節は追加参戦となった最若手の羽田妃希を非常に気遣っているのである。羽田はこれが昨年8月以来の復帰戦。それがいきなり追加で、しかも注目を集める大会でもあり、もろもろ不安もあったのではないかと思う。しかし深見がそばにいて不安を少しでも解消しているように思える。初日、羽田が3番手を走りながら最終コーナーで4番手に下がってしまったレースがあったが、深見はリプレイが流れるモニターを凝視し、さまざま確認。その後、控室へと走っている。おそらく、リプレイから感じ取ったものをアドバイスとして羽田に伝えたのだと思う。そんな深見が今日はしっかりと舟券絡みの活躍だ。ちゃんといいことあるのである! 明日の勝負駆けも頑張ってほしいなあ。あと羽田の水神祭もあるといいなあ。そのときはきっと、深見と羽田の笑顔の交歓が見られるはずである。(PHOTO/池上一摩 TEXT/黒須田)