BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

TOPICS 3日目

ルーキーの伸びシロ

 ルーキー舟券は美味しくもあり、難しくもある。ルーキーのひとりひとりが、いつ何時レベルアップするか分からないから。逆に、それさえ100%正確に分かれば、ルーキー舟券だけで蔵が立つと私は思っている。神様でもない限り不可能だけど。

 で、各選手の成長度をザックリ把握するため、最近の私が採用しているのが【年別成績のアップダウン】だ(『艇国データバンク』を活用)。去年⇒今年で各選手の勝率、1着数、平均スタートetcがどんだけ変動したか。今年はもう4カ月分のデータが蓄積されており、それなりにルーキーの成長度が浮かび上がると考えている。せっかくなので、今節のルーキー世代(女子も含む)の勝率変動をアップしておこう。

★ルーキー選手の年別勝率

        去年⇒今年
120期 牧山敦也 4.71 5.26
        中村将隆    4.17   5.80!!
   牟田奨太    4.50   4.67
   石原 翼    5.51   5.19
121期 羽野 諒    4.77   5.25
   梶山涼斗    4.33   4.28
   宮田龍馬    6.03   6.07
   柴田百恵    4.43   4.33
122期 安河内健    6.07   6.49
   中 亮太    5.62   5.96
   谷口知優    4.47   4.39
   田頭虎親    4.82   5.73
   荒巻凪沙    3.34   4.43!
   平川香織    4.95   5.56
123期 冨田 祥    3.08   2.83
124期 大石真央    4.62   3.94
   末永和也    6.79   7.11
   高憧四季    5.86   5.74
125期 原田雄次    4.38   4.83
   富田恕生    4.11   4.86
   杉山喜一    4.49   5.39
   小林孝彰    3.38   4.00
   定松勇樹    6.79   6.85
126期 上瀧絢也    2.38   3.25
127期 藤森陸斗    3.52   4.40
   川井 萌    4.24   4.35
128期 加藤優弥    2.80   3.86!
   小坂風太    2.67   3.87!
130期 羽田妃希    1.67  ―(長休)
   西丸侑太朗  2.06   2.65

※今年の勝率は1/1~5/5。太字は去年から0.5以上アップ、「太字+!」は1.0以上アップ、「太字+!!」は1.5以上アップ。

 アップ選手あらばダウン選手あり。で、もっとも勝率の上り幅が大きかった選手は……はい、その赤丸急上昇ルーキーを今日のコレにしちゃいましょう。

明日のブライトホース

底辺スタートからの帰還

4982中村将隆(120期・兵庫)

★今日の成績=4R2着・10R4着
☆明日の出走=9R3号艇

 はい、栄えある今節の「伸びシロ1位ルーキー」は120期の中村将隆で、なんとなんと+1.63ポイント↑↑。ちなみに2年前の将隆クンの勝率はわずか2.70だったから、ここ2年半で勝率を3点以上も上乗せしたことになる。普通、1.5ポイント以上も上昇するルーキーはデビュー3年前後が多いのだが、将隆クンはルーキー卒業年での確変突入となっている。

 で、これだけ大幅に変動すると、ファンを惑わせる事象が起きたりするのだな。たとえば、出走表に記載される勝率データで、今節の将隆クンの数字は媒体によってこんなにも違っている。
★浜名湖本場の出走表=3.96
★ネットLIVEの出走表=5.74
 それぞれ集計期間の違いが、とんでもない大差を生み出している。浜名湖本場で配布された出走表を見たファンは「3.96か、中村って弱っちいな」と思うだろうし、ネット観戦するファンは逆に「中村ってA級レベルの実力があるのか」と見積もるに違いない。どっちが正しいかと言えば、直近6カ月のデータを集計した後者のほうだな。浜名湖に足を運んだ方は「中村将隆はこんな数字の選手じゃないぞ」と肝に銘じたほうがいいだろう。

 中村将隆、平成8年8月14日生まれ。やまと学校120期でのリーグ勝率は4.42とやや厳しめ。首席・佐々木完太のフィーバー勝率7.77はもちろん、今節の団長・石原翼(6.46)、牟田奨太(5.84)、牧山敦也(5.26)にも遠く及ばない成績だった。
 デビュー初勝利はソコソコ早い88戦目。さらに3年目の2019年には平均コンマ14のスタート攻勢で、年間勝率を1.99⇒3.91まで跳ね上げた。石原翼が3.98だから、ほぼほぼ追いついたと思っていいだろう。
 だが、好事魔多し。翌20年の2月に津で+コンマ11の特大Fを切るなど、スタート事故が相次いで一大スランプに。コンマ14でブイブイ云わせた男は、20年にはコンマ19、さらに翌21年にはコンマ22!……スタートが行けない男に成り下がってしまった。

 こうして考えると、21年の勝率2.70は完全なスタート負けであり、それから2年半が過ぎた今、やっとF禍の呪縛から逃れて本来の伸びシロ軌道に返り咲いたと見ていいのだろう。正直、今節の相棒35号機は頼りない足色で準優も赤信号が点ったが、選手本人の“パワーアップ”は絶対に軽視してはならない。明日の9Rはもちろん、5日目以降の一般戦でアタマに突き抜ける姿を想定しておきたい。
※ここで緊急速報!
 昨日の当欄で【冨田祥トミダショウ×富田恕生トミタジョウ】についてあれこれ書きましたが、なんとなんと、明日の7Rで【①冨田祥vs②富田恕生】という絶好枠での直接対決が実現しました! 果たして先輩の「ダショウ」がインから逃げきるのか、後輩の「タジョウ」がズッポリ差しきるのか、はたまた枕を並べて引き波に沈むのか……興味の尽きない番組になりましたね。でもって実況アナにとっては実に難解かつ残酷な1・2号艇の配置でもありますな。
「1マークを回って先頭はトミダショウ、差して追撃するはトミタジョウ。さあ、トミダかトミタか、ショウかジョウか、ジョウかショウか、ふたりの明日はどっちだーー!」
 みたいなカミカミ要素たっぷりの一騎討ちにならないことを、切に祈っております!(笑)。

 最後に、3日目を終えての団体戦ポイントを記しておこう。

紅組1112白組

 わずかに白組がリードしているが、ぶっちゃけ今日が折り返し地点とは思っていない。最終日には【10R4点・11R8点・12R12点】というでっかい点増しがあるからして、体感温度としては「5日目の団体戦=1R~8Rあたりが折り返し」と考えている。(photos/チャーリー池上、text/畠山)