今日は朝から団体戦！ 11Ｒ12Ｒに組まれている準優勝戦は男女別、すなわち団体戦ではないので、１～８Ｒに団体戦が組まれる５日目である。
１Ｒは定松勇樹が４カドからまくって出たが、２コースから伸び返した平川香織が先まくりに出たことで進路がかぶってしまった。どうも今節の定松は展開がうまく向かないことも多々で、男子Ａ１勢としては唯一の予選落ち。末永和也と会話を交わしながら、さすがに苦笑いが浮かぶ。で、直後、さらに苦笑いが濃くなった。ボート洗浄を忘れて控室へ戻ろうとしたのだ。浜名湖では最終日前日に選手たちがボートを洗剤で洗うのが恒例。１回乗りの定松のボートは、その頃当然、九州勢の手によって洗浄されていたのだが、本人が忘れて控室に向かっていたのだから、こりゃまずい。末永も同じく忘れていた一人で、それに気づいて大慌てで仲間の元へと踵を返した佐賀トップルーキーコンビなのでした。
平川を壁にするかたちで逃げ切ったのが高憧四季。３日目からリズムアップしてきたことで、表情が明るくなってきた。高憧も今日は１回乗りで、こちらはしっかりボート洗浄に参加。近畿女子では新兵ですから、忘れるわけにはいかないっすよね。
この１Ｒは、平川が４着、喜多那由夏が５着で、着順点ではレディースが上回ったのだが、その２人が待機行動違反でポイントはルーキーズへ。ただ、レース直後はそのジャッジが伝えられていないから、特に男子勢が盛り上がっている様子はなかった。まあ、相手の失着でのポイント獲得では、それがわかっていても表立って盛り上がるわけにはいかなかったかもしれないけど。平川は先輩の清埜翔子とわりと長く話し込んでいて、それはあたかも反省会のようにも見えたのだった。
２Ｒは宮田龍馬が逃げ切り。危なげのない逃走だったと言っていいだろう。宮田は、エンジン吊りが終わると各選手のもとへと向かって頭を下げて回った。土屋実沙希は、ピットのいちばん奥にボートを運んでいたのだが、宮田はそこまで駆け足で向かって、深々とお辞儀していたのだった。礼儀正しいっす！
２着が原田雄次、３着が牟田奨太で、ルーキーズが上位独占。どの場面を指していたのかわからなかったが、原田が「すみません」と頭を下げて、牟田が「ぜんぜん、ぜんぜん」と返すシーンがあった。選手たちは進入の入れ替わりがあったり、接触があったり、あるいは水しぶきをあげてしまったりしたとき、こうしてすぐに頭を下げて礼を尽くす。この場合は、原田のほうが後輩だが、先輩から後輩へということも普通にあることだ。ノーサイドとなれば、あとは穏やかにレースの振り返り合い。ここはポイントをゲットしたこともあって、実に和やかな様子となっていた。
下位を占めることになってしまった女子勢だが、１マークで３者が接触。まず村上奈穂と土屋が接触し、土屋のボートが浮いて高田ひかるに激突する格好になってしまったのだ。土屋と高田は艇団から大きく置かれることにもなっている。ということで、この３者はレース後、すぐに輪になって話し合いを始めていた。もちろんそれぞれに頭を下げつつ、その状況を振り返ったのだろう。無念の結果も含めて、そこで起こったことはすぐにその場で話し合って解決。禍根を残さず、やや後手となっている団体戦の巻き返しをはかる！（ＰＨＯＴＯ／池上一摩 黒須田 ＴＥＸＴ／黒須田）
