BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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QCシリーズ戦TOPICS 初日

“シリーズリーダー”の貫禄

 初日のインコースは7勝5敗。昨日の『展望BOATBoy』配信で【イン4勝・万舟4発】などと予言したのだが、1R①清水沙樹のサッキサキな逃げきりから前半だけでイン5勝。すっとこどっこいな戯言でしかなかった。
 で、前半戦をつらつら見たところ、コースの利を凌駕するほど外から気合パンパンに攻める選手がほとんど見当たらず。毎年毎年、“コッチ側”の選手のモチベーションはビミョーなのだが、そのビミョーさを改めて痛感した。GPシリーズ戦の格付け“SG”とは月とスッポンですからねぇ。

 そんな中、「コースの利よりも地力の利!」的な強さを見せつけた選手が何人か。まずは賞金14位でコッチのDR1号艇(13位の中谷朋子は不出場)に配属された細川裕子が、ド派手なレースで突き抜けた。
 5コースからコンマ02、伸びなり一撃まくり!!!!
 こりゃ凄い。本人が思ったかどうかはともかく「コッチの賞金トップはどこの誰なんだい? 私だよっ!!」みたいな猛烈な鬼まくりだったな(笑)。元よりまくり屋だし、スタートもブチ込んだし、何よりスリットからじわじわ出て行く伸び足にも好感が持てた。細川は後半の12Rドリーム戦も鮮やかに逃げきって、ピンピン連勝=11.00のロケット発進。まんま“シリーズリーダー”を独走中、とお伝えしておこう。

 細川に続いて「格の違い」を見せつけたのが、岩崎工務店の下請け平高興業の社長・平高奈菜だ。こちらはシリーズ組でトップのスピード&テクニックをまざまざと誇示する3コースのまくり差し。スタートはいちばん遅いコンマ27だったが、2コース加藤綾にじんわり擦り寄ってツケマイ一閃。イン清埜翔子=コンマ17の見えないところから、ニュッと舳先を突き出した瞬間には、もう割り差しのハンドルを突き入れていた。早い。そして速い。
「3年前に上の舞台でティアラを被ったのはどこの誰なんだい? 私だよ!!」
 そんな雄叫びが聞こえるような強烈なまくり差しだった。

 さらには10R④櫻本あゆみのスピード狂的な4カドまくりw、7R②宇野弥生の私らしいジカまくりなども込み込みで、やはり今日という日は「コースの利か、地力の利か」という1日だった気がしてならない。あ、ちょっとだけ視点を変えると、2・3・4・5コースのまくりが乱舞したから「極めて多摩川の女子レースらしい握ったもん勝ちの1日」とも言えるのだが。

 最後に、初日の全レースを見ての簡単なパワー評価をば。今日イチ光り輝いて見えたのは、4Rの竹井奈美59号機。特に前半4Rはインから逃げただけのようでいて、舟の返り~出口の押し足まで迫力満点! 上りタイムも今日イチ1分47秒0だし、展示タイムも後半10Rで唯一の6秒50台を叩き出したし(レースは4着も追撃足は強力だった)、間違いなくトップ級の足色だった。この竹井はじめ、私の目を惹いた人機を列挙しておこう。

★竹井奈美 【出A・直S】
★池田浩美 【出B+・行S】
★櫻本あゆみ【出A・行A】
★宇野弥生 【出A・直A】
★海野ゆかり【出A・直A】
★平高奈菜 【出A・直A】
★関野 文 【回S・直B】
★岩崎芳美 【出A+・直B+】
★山下友貴 【回A+・直B+】
☆西橋奈未 【出B+・直A】
☆前田紗希 【出B+・直A】
☆薮内瑞希 【出B+・直A】
☆落合直子 【出A・直B+】
☆細川裕子 【出B+・直A】
☆清埜翔子 【出B・直A】
☆加藤 綾 【回A・直B】
☆金田幸子 【出B・直A】
?黒澤めぐみ【出C・直S】

注/★印は上位~抜群、☆は中の上~上の下

 前検でトップ指名した池田浩美11号機は、今日の9Rで5コースから伸びなり握ったが、4カド土屋南に完全ブロックされて6着大敗。残念な結果だったが、昨日の足色からするとスロー発進の方がパンチ力が増すはず。明日の1R3号艇でもしつこく狙ってみたい。

 ちょい穴っぽいところでは道中の追撃足が光っていた加藤綾や前田紗希、三島敬一郎推奨の関野文(回ってからの押し感がGOOD!)と薮内瑞希(スリット足に余裕)も不気味なオーラを放っていた。もうひとり、伸びが凄そうだけどやっぱ出足が怪しくSドカ遅れだった黒澤めぐみも軽視はできないぞ。(text/畠山)