昨日の万舟ゼロから今日のシリーズ戦は10レースで万舟３発。そのうちの２回は「強い人気選手のアクシデント」という後味の悪い実戦だった。
【４Ｒ】竹井vs関野のパワフル同士討ち
スリットから行き足のいい②竹井奈美が①関野文を叩いてジカまくり狙い。ところが関野の伸び返しも強烈で、艇を追っつけるようにブロックしたらば大競りに。真横に弾かれた竹井は体勢を崩してザブンと落水失格（責任外）⇒負傷帰郷。うーーん、初日からシリーズのトップ足と断定し、Ｖ候補の筆頭と思っていただけに残念でならない。一方、弾き飛ばした関野は３着に入線したものの、不良航法で-10点。こちらも激痛
この事故をざっくりまとめるなら「２艇とも出てるからこその相討ち」ってな感じか。竹井はあれだけ行き足が猛烈じゃなければ２コース差しに構えただろうし、関野もあんな強烈な伸び返しがなければ首を差し出してまくられたはず。「私の機力ならなんとかなる」という自信と自負が、両者を苦境へと道連れにしたのだろう。
【５Ｒ】平高のドン突き
竹井と関野に続いてＶ候補のひとり・平高奈菜がどん底へと突き落とされた。まず１マークでターンマークに接触したのがケチの付きはじめ。バック４、５番手から鋭いターンで３番手まで押し上げた２周１マーク、握るか差すか少し迷ってから握りマイを選択したらば、小回りから流れた池田紫乃の艇尾にドン突きストライク。
おそらくプロペラに絡まる形で紫乃艇が横転、平高がまんま乗り上げてＷの転覆となった。紫乃は負傷帰郷、平高には責任転覆＋不良航法で15点の重罰が課された。わずか２レースだけで、ふたりの帰郷者とふたりの厳罰者を生む大惨事。これをもってＶ争いが混とんとしたと言うべきか、暫定トップ・細川裕子が俄然有利になったと言うべきか。
ちょいと重暗い話題のあとは、くすりと片頬で笑うレベルの小ネタをば。事故が相次いだ４Ｒ・５Ｒから30分後の６Ｒ。インの櫻本あゆみが逃げ込みを図るところ、３コースから松本晶恵がえぐり込むような鋭角まくり差しでバック並走。よくよく見たらば「松本工務店」の社長vs右腕の一騎討ちじゃないっすか！ 両者のせめぎあいは２マークを先取りした晶恵社長が片腕を圧倒。クーデターには至らなかった。
でもって、続く７Ｒはインの西岡成美が逃げ込みを図るところ、３コース岩崎芳美が差してバック追走。よくよく見たらば、「岩崎工務店」の社長vs下請け「西岡建設」の若社長じゃありませんか!!?? コッチは下請けの西岡社長がまんまと逃げきり、下剋上のワンツー決着になりましたとさ、ﾁｬﾝﾁｬﾝ。（photos/シギ―中尾、text/畠山）
