BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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準決勝ダイジェスト

3戦イン×3戦アウト

10R
①石野貴之(大阪)21
②羽野直也(福岡)21
③片岡雅裕(香川)22
④平本真之(愛知)13
⑤深谷知博(静岡)14
⑥関 浩哉(群馬)22

「石野34号機はどうにも頼りない、信用できない!」
 前検からナンクセをつけ続けてきたのだが、今日も石野はそんな私をあざ笑うようにしっかりガッチリ逃げきった。全国の石野ファンの皆さん、ごめんなさい。

 ただ、石野本人も34号機に対して半信半疑なようで、昨日まで明るいコメントは皆無。明日の枠番も1号艇なら問題ないかもだが、たとえばあみだマシーンで外枠を引いて、1マークや道中で揉まれたときはどうか(20時現在)。そのあたりは抽選結果を踏まえて検討し直したい。

 2着は今日も今日とて大外から関! 6コースから質のいいスタートを行き、攻めたい気持ちを抑えて鋭角ターンの根っこ差し。強敵相手の準決勝でも、この差しが伸びる伸びる伸びる。出口では5、6番手の見え方から、ぐんぐん伸びて2マークを2番目に通過し、そのまま天性のターンスピードで2着を確定させた。
 直近1年6コース2連対率32・4%!!
 昨日までの驚くべき数字を、今日の2着でさらにアップさせたであろう関クン。相棒の74号機のストレート足も半端なかったが、6コース特有の旋回(すぐにターンマークに寄らず、しばらく直進⇒オーバーランして最内に潜り込む戦法)でサイドをあまり掛けずに滑らかに回るような、関クンならではの技法があるに違いない。今節のトーナメントはすべて6コースから3・3・2着。心の底から絶賛の拍手を送りたい。

 3着は実にしぶとい位置取り~ソツのない旋回で後続をシャットアウトした平本。スリットから突出して見せ場を作り、そこから伸びないと見るや臨機応変の差しハンドルで対応。見事な立ち回りだったし、機力的にもあみだマシーンで白を引き当てれば頂点に立てるレベルだと思う。2号艇から外では、逆に苦戦を強いられる可能性もありそうだが。

圧勝と乱戦

11R
①松井 繁(大阪)09
②土屋智則(群馬)07
③井口佳典(三重)12
④茅原悠紀(岡山)11
⑤馬場貴也(滋賀)15
⑥椎名 豊(群馬)11

 10Rに続いて、大阪の新旧エースがインコースから仁王立ちだ。出足~行き足に自信がある松井は早めの起こしからやんわり上体を上下してアジャスト。それでキッチリ塩梅のいいタイミングに持ち込み、そのまま後続を寄せつけずに逃げきった。

 石野と松井でトーナメント6戦すべて1ラウンド(コース)KO(逃げきり)勝ち!!!!!! この大会ならではの特典を、大阪コンビで味わい尽くした3日間でもあった。さらにあみだマシーンでふたりのうちのドッチかが白を引き当てれば……結果を待とう。

 で、ワンパンチで決勝進出を決めた松井に対し、焦点の2、3着はてんやわんやの大乱戦になってしまった。トリガーを引いたのは6コースの椎名。10Rの関クンよろしく最内差しからグングン伸びつつ2マークに向かったが、バックの隊列が違い過ぎた。完全に2番手を取りきった井口から2艇身ほど遅れていたのに、かなり強引に2マーク先取りを狙ってゴッツンコ。2艇でもつれ合うように流れている間に、バックで置き去りにされていた馬場~茅原が一気にファイナルゾーンに突入した。

 機力的にも残念でならないのは井口76号機だ。絶対エースの上條19号機が準々決勝で消え去り、今節の事実上のエースとして決勝戦に先発するはずだったのに、反則のピッチャーライナーを食らって圏外へ。明日が何号艇でも舟券に絡めようと思っていた私としても、井口の4着が口惜しい限りだ。
 1着・松井、2着・馬場、3着・茅原。

 2、3着のふたりはかなり「恵まれ」の要素が強く、機力的には決勝戦の中で大なり小なり劣勢だと値踏みしている。裏を返せば、これだけの実力者コンビが強運にも恵まれたわけで、それはそれで怖い存在と言えるだろう。これであみだマシーンで白を引いたりしたらば……などと書いているうちに、大注目の抽選がはじまった。決勝戦のエースナンバー1を引き当てたラッキーガイは……??

12R決勝戦
①関 浩哉(群馬)
②平本真之(愛知)
③松井 繁(大阪)
④石野貴之(大阪)
⑤茅原悠紀(岡山)
⑥馬場貴也(滋賀)

 なんと、都合6連続KO勝利を飾った松井&石野ではなく、3戦連続「6回戦ボーイ」の関クンだーー!(笑) 好枠の先輩たちの強烈なパンチをかいくぐり、クリンチやクロスカウンターなど多彩な技を駆使して決勝進出。その甲斐甲斐しい姿を、ボートレース大村南門の門前に佇む龍神様(強力なパワースポットとして有名なのだとか)は見逃さなかった、ということか。関にとっては、つい3週間前のGPシリーズ戦=1号艇インコースでドカ遅れ4着のリベンジマッチ。明日こそは、このチャンスを逃さない気がするのだが、どうだろうか。(photos/シギ―中尾、text/畠山)