BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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団体戦白熱!の最終日前半ピットから

 レディース18-ルーキーズ22でスタートした最終日。団体戦スタートの5Rは、2コースから中村栄治がまくって出た展開を3コース粟田祥がズバリ差し切り。両者のワンツーで、ルーキーズがリードを広げることとなった。初日にレディース7-ルーキーズ1という圧倒的な差がついていたものが、あれよあれよとルーキーズが逆転し、最終日も優勢を保ったまま最終決戦の口火を切ったというわけだ。

 もっとも、粟田にしても中村にしても、ポイントを獲ったという歓喜は見えない。それよりも、これが節間の最終走であり、モーター返納作業に急いで駆けつけなければならないという、最終日ならではの動きを見せるのみなのだった。カポックを脱いでいる間に仲間がモーターを整備室に運んでくれており、その仲間には先輩も含まれているので、素早く駆けつけなければならないというわけなのだ。

 リードを広げられたレディースも同様。3着で大穴の片棒を担ぐこととなった西村美智子も速攻で整備場へと駆けて行った。まあ、今日は何と言っても、優勝戦と特別選抜戦が重要な戦い。一般戦で差を広げられたとしても、この点増しレースをゲットすればあっという間に逆転できてしまうので、走っている選手としては、5~9Rまではそこまでポイントのやり取りに一喜一憂することはないだろう。この大会も12回目だが、これまでの取材の最終日を思い出せば、たしかにそんな雰囲気なのだった。

 ただ、レースを見ている選手は昨日までより熱くなっている! 6R、装着場のモニター前には、モニターに向かって右にルーキーズ、左にレディースが鈴なりになっていた。1マーク、松尾夏海がインから逃げ、3コースの西岡育未が2番手となった瞬間、レディースから「よしっ!」と声があがる。西岡は松尾よりやや内にいたため、「早く外へ! 外!」と声もあがっていた。外には4カドから握った相馬翔が2番手並走状態となっていたため、艇を合わせに行けという意味もあるだろう。

 そのとき、内からぐいぐい伸びてきたのが6コースから差した飛田江己。今度はルーキーズたちから「よしっ!」の声があがる。「先に回れ! 先に回れ!」と2番手先マイを願う声。その声に応えたかのように、飛田が先に回って2番手逆転! もう一丁「よしっ」と若者の声があがった。

 ただ、先頭を松尾が走っているから西岡が3番手を確保すればポイントはレディース。飛田が2番手浮上したものの、西岡と相馬が今度は3番手競りになっていたから、レディース陣営からは「3着! 3着でいい!」と声援が飛んだ。ルーキーズのほうは、内からさらに城間盛渚があがってきており、「よし、城間くんも来た!」との声。つまり、相馬か城間が3番手を獲り切れば、「2着-3着-4着か5着」でルーキーズがポイントをゲットするのだ。ここから2周1マークまで、レディース、ルーキーズの声が乱れ飛ぶ!

 結果、捌いたのは相馬。3番手浮上し、さらに城間が西岡を逆転して2~4着にルーキーが入った。ルーキーズがポイント獲得! リードを6に広げて、6Rを終えたのだった。満足そうにエンジン吊りへと向かう背中を見たら、宮脇遼太と仲本舜でした。君たちでしたか、声援を送っていたルーキーは。こんな調子で、団体戦は佳境へと突入!(PHOTO/池上一摩 TEXT/黒須田)