8R、宮脇遼太が5コースから豪快なまくり差し! 先マイした大豆生田蒼の左脇に届いた瞬間、おおっというどよめきが起きている。ピットに戻ってくるとさすがに笑顔が浮かんだ宮脇だが、しかしこれがコンマ01のキワッキワのスタートで、少しバツの悪そうな表情を見せている。残っていてよかった!
大豆生田にとっては、これは悔しい一番だ。先に回って、外にも内にもいないのを感じて逃げた、今日は連勝と意識したそうだが、その瞬間、驚くことに黄色のカポックが左に並びかけてきた。大豆生田の逃げ自体には特に瑕疵がないようにも見えただけに、より悔しさもつのろうというもの。また、3着に渡邉健が続いたことで、ポイントはルーキーズに渡っており、1号艇なのに団体戦に貢献できなかったという思いも強いようだ。いやいや、これは勝った宮脇、3番手を獲り切った渡邉をほめるべきで、大豆生田の責任ではない。今日は1着2着と、初戦6着を巻き返せただけに、この悔しさを抱えつつ、明日からも奮闘してほしい!
9Rは藤堂里香が4カドまくり! まさに8Rの意趣返しというか、内枠でポイントを獲れなかったレディースに、外枠でのポイントをもたらした。出迎えたのは福井支部の面々。藤堂=福井、今井美亜=富山、西橋奈未=石川と、北陸3県の揃い踏みだ! 快勝を3人で喜び合って笑顔満開。北陸にも元気を与える勝利、と信じて、かの地に彼女たちのような笑顔が咲きほこらんことを願います!
一方、中村栄治は当然、悔しさばかりが残ったレースか。2着には粘ったものの、ポイントを奪われたのは8Rの大豆生田と同様。中村は露骨に顔が引きつっていたし、胸のもやもやが伝わってくるレース後なのだった。スタートタイミングはコンマ23で、前のレースで早いスタートがあったことを意識した部分もあったかも。それも含めて、反省点も多いレースだったということかもしれない。
11Rは為本智也が逃げ切り、いったんは今井美亜が2番手にあがったものの、垂水悠、山崎祥が逆転して、ルーキーズが上位独占となった。為本はすっきりした表情のレース後。そして、垂水が頭を下げると、左腕をぽんと叩いて健闘をねぎらった。やはりルーキーズのなかでは格上感がありますね。
垂水も、逆転2着に満足感があるのだろう、為本に笑顔を返している。昨日はレディースが圧倒したわけだが、2日目はルーキーズがじわじわと巻き返してきている。そのこともまた、山崎も含めて、表情を明るくしている要因か。
で、その垂水をたたえていた一人が喜多須杏奈。10Rを3コースからの差しで勝利していて、むしろそのレース後は淡々とした様子とも見えたのだが、そのときには見せなかったような笑顔を垂水に向けていた。団体戦の枠を超えて、後輩の好走は好もしく頼もしいものと映ったのだろう。そう、団体戦を戦ってはいても、縁の深い間柄の選手が好レースを見せればチーム関係なく拍手を送るのである。
2番手を逆転されたばかりか4着にまで後退した今井は、やはり複雑な心境だろう。山崎が頭を下げると、礼を尽くした後輩に対して笑顔を返したものの、山崎が離れると瞬く間に笑顔は消えた。まさにすーっという音が聞こえてくるような、表情の変化だった。ここまではやや振るわない成績となってしまっているだけに、明日は調整に忙しい時間を過ごすことになるかもしれない。
12Rは海野ゆかりが逃げ切り。2番手は堀之内紀代子と香川颯太の競り合いとなり、その間隙を小林孝彰がきっちりと突いて浮上している。小林は初日から好気配を見せていて、それを活かす形での2着。やはり表情は明るかった。得点率も2位だから、かなり視界も開けてきていることだろう。
3着に小坂颯太、また城間盛渚が5着に入ったことで、ポイントは白がゲットしているのだが、それも含めて悔しさにまみれたのは堀之内だ。バックでは2番手並走だったものが、競り負けて一気にシンガリまで後退してしまったのだから、落胆も激しい。しっかり着を拾えていればポイントは奪われなかったと考えればなお、後悔が残るレースとなってしまっただろう。
また、3番手争いに競り負けた西岡成美も同様に悔いが残るレースだったか。競り勝っていれば、やはりポイントはレディースだった。それはそれとしても、ただただ競り合いに勝てなかったことは己を責めるものになっていただろう。ピットに戻ると、装着場のモニターがちょうどリプレイを映し出していた。西岡はモニターの前で立ち止まると、最後まで画面を見つめ続けた。何が悪かったのか、どう走るべきだったのか、頭の中で反省が渦巻いたか。それはさらに悔しさを強めるものにもなったはずだ。
この12Rも含めて、今日はルーキーズ優勢! 団体戦は一気に白熱してきたぞ!(PHOTO/池上一摩 TEXT/黒須田)