BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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ルーキーズ苦戦……の初日後半ピットから

 9R終了時点でレディース4-ルーキーズ1。レディースチームがリードする展開の団体戦である。ルーキーズのポイントは7R。3号艇の木下雄介が3コースまくり差しを鮮やかに決めて、ルーキーズが上位独占。今日はレディースが内枠に入るレースが5個と過半数なので、ルーキーズ内枠のここはしっかり押さえておきたかったところ。目論み通りの結果となったわけだ。
 快勝した木下はやっぱりゴキゲン。数字的にはそこまでたいしたことはないが、足はかなりしっかりしているようだ。前節の優出機ではあるので、その調子をうまく引き継げたということか。それにしてもこの男、滋賀支部の先輩・守田俊介の“血”を受け継いでいるというかなんというか。かなりおもろい男なので、YouTube「週刊BOATBoy」のインタビューをぜひご覧ください。

 9Rもルーキーズが内枠だったが、ここはレディースがブレイク。堀之内紀代子が4カドから持ち味のまくり一撃で、松尾夏海を連れての快勝。レディースにポイントをもたらした。なにしろ2連単④-⑤が2番人気だったので、ファンの多くもこの展開を想定していたということ。選手たちも似たようなところがあっただろう、堀之内がまくりを決めても特に大きな歓声が巻き起こったわけではなかった。堀之内も笑みは浮かべていたものの、淡々と戻ってきている。

 そうはいっても、外枠でポイントを奪い取ったのは大きなことで、出迎えた岩崎芳美と海野ゆかり、両リーダー格はニッコニコではあった。後輩たちを引っ張っていく立場としては、堀之内のカドまくりは実に頼もしいものであっただろう。

 11Rもルーキーズが内枠。結果だけを書けば、1着が1号艇の宮脇遼太、2着が3号艇の石渡翔一郎だから、ルーキーズがポイントを獲るべきところなのだが、2号艇の飛田江己が痛恨のフライング。スタート事故は着順がどうあれ、相手方にポイントが移るので、ここもレディースがゲットということになった。

 飛田はしっかりと差して、先マイの宮脇を捉えていただけに、あまりに惜しい。一足先にピットに戻ると、「どれくらいでしたか?」と力ない表情で尋ねてきている。まだスリット写真が掲示されていない段階だったので、こちらも未確認。その旨と、判定の時間がかなり長かったことを伝えると、「そうでしたか…………ほんとすみません」と肩を落とすのだった。飛田は172cmの長身だが、やけに小さく見えた……。月並みではあるが、モーターのパワーは申し分なさそうなので意地を見せる残り5日間にしてほしい!

 ドリーム戦は濱野斗馬が4コースから1着。しかし、2着にイン残した岩崎芳美、3着に1マーク握った海野ゆかり、6着には島川海輝がしりぞいてしまい、ポイントはレディースに入ることとなった。悔しそうだったのは西橋奈未だ。舟券絡みの目もありながらの4番手追走だったが、3周1マークで為本智也に逆転を許してしまう。同支部の後輩に抜かれたウンヌンはともかくとして、着を落としたのはやはり痛い。この4→5着は団体戦には影響せず、レディースにポイントが入るのは変わりないのだが、それはそれとして着を大きくしてしまったことが悔いを残したか、目元が深刻そうな表情になっていた。団体戦がこの企画シリーズのキモではありながら、個人優勝を目指すうえでは自身の敗戦そのものを悔やむわけである。特に、男女の枠を超えて上を目指そうという西橋ならばなおさらだ。

 8Rで転覆してしまった三木晴斗は顔面を打ったようで、眉間あたりに傷ができていた。痛々しい姿で対戦相手に頭を下げて回っており、2着だった木村紗友希はそれに気づいて心配そうな表情で言葉を返していた。それでも三木は元気いっぱいに、「大丈夫っす!」。打った場所が場所だけに心配ではあるが、ひとまず大事には至っていないようで何より。三木はデビュー以来未勝利で、今節は水神祭を目指したい一節。一人水神祭をやってしまったわけだが、なんとか本当の水神祭も果たしてくださいね!(PHOTO/池上一摩 TEXT/黒須田)