BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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戸田クラシックTOPICS 3日目

野武士か、ニュースターか??

 昨日の記事はちょいとSG路線から脱線したので、今日はしっかりSGクラシックという大会と向き合ってみよう。まず、この大会の醍醐味のひとつが【記念Vのエリート組vs一般シリーズ多数Vの野武士組】のせめぎ合いだ。もっとシンプルに言うと【王道vs裏街道】みたいな。

 で、過去のクラシック優勝者をざっと眺めると、記念を制して乗り込んだエリート組が野武士軍団を圧倒。去年の土屋~2年前の遠藤~石野~吉川元~吉川元~井口~桐生~坪井~桐生~松井~池田まで、直近11年の優勝者はすべてエリート組!! 一般戦だけを勝ってきた野武士組の優勝は、12年前の馬袋義則(一般戦7V)まで遡らなければならない。うーーん、実はこの大会には残酷なヒエラルキーが隠されている??(笑)。

 だがしかし! 「Vはあちら、万舟はこちら」ってな感じで、クラシックで波乱を演出する主役は圧倒的に野武士軍団。詳しくは月刊『BOATBoy』4月号を読んでいただくとして、「野武士組が1着になったときの平均配当は、エリート組のそれより30%ほど高い」というデータもあるほどだ。
【クラシックの定石】=野武士軍団のV確率はかなり低いが、波乱の主役になりやすい。
 この定石を踏まえつつ、改めて今節の野武士軍団を確認しておこう。

今節の一般戦勝ち上がり組
★白井英治 10V
★長嶋万記 7V
★松田大志郎 7V
★定松勇樹 7V
★吉川元浩 6V
★大上卓人 6V
★宮之原輝紀 6V
★末永和也 6V
★新田雄史 5V
★重成一人 5V
★中澤和志 5V
★大池佑来 5V
★豊田健士郎 5V
★徳増秀樹 5V
★柳生泰二 5V
★赤岩善生 4V

 Fの罰則で記念戦線から遠ざかった白井はともかく、他の面々はなるほど穴っぽい顔ぶれが鈴なり。実際に昨日の9Rは⑤中澤-③柳生-②松田と上位着独占で392倍、今日の9Rも1着④末永和也~3着⑤豊田健士郎で200倍という大波乱を生み出している。
 え、「この手のデータや記事は3日目じゃなく、前検か初日に書かんかーい!」っすか……すんません、そう思われた方は月刊『BOATBoy』誌を定期購読してくださいね(笑)。

 上記の16戦士の誰かしらが明日からも波乱の立役者になるとして、そろそろ、12年ぶりの「裏街道組の下剋上V」はありえないだろうか。3日目終了時点で、準優圏内に入っている野武士は吉川元浩(暫定1位)、宮之原輝紀(4位)、重成一人(9位)、柳生泰二(10位)、新田雄史(12位)、中澤和志(13位)、末永和也(16位)の7人。2012年の“馬袋内閣”から干支が一巡した今年、エリート組をぎゃふんと云わせる布陣は整った。

 さてさて、別の視点から今節のV戦線を見てみよう。初日の当欄から書いてきた【110期以降のニュースター誕生】の可能性はいかほどか。特に、三島敬一郎のトップ7基を引き当てた7人の若武者に注目してきたのだが、3日目を終えての予選成績はこんな塩梅だ。

★一席・新開航8号機=1146着6.25
★二席・山崎郡42号機=5223着6.00
★三席・上條暢嵩30号機=5533着4.00
★四席・浜田亜理沙16号機=4452着4.25
★五席・宮之原輝紀40号機=2141着8.00!!
★六席・板橋侑我18号機=4345着4.00
★七席・大上卓人64号機=6265着3.00

 うーーん、現状で予選18位に食い込んでいるのは宮之原・新開・山崎の3人のみ。しかも、開幕2連勝の新開は昨日から4着、6着と尻すぼみだし、私・畠山のイチ推し郡42号機もやんちゃな超抜パワーを持て余して勝ちきれない印象だ。

 そんな中、ここまで4戦をほぼノーミスかつ素晴らしいスピード戦を展開している宮之原は天晴れの一語! 宮之原は先に書いた野武士軍団のひとりでもあり、この勢いで頂点に立てば「12年ぶりに野武士が優勝してニュースター誕生!」という快挙になるのだが、誰も「野武士」云々には注目しないだろうなぁ(笑)。明日の宮之原は【11R2号艇】の一発勝負。予選トップを争うライバルは外枠が多く、しっかり勝ちきれば予選トップに立つ確率はかなり高い、とお伝えしていいだろう。

 このトップ3以外の面々は道中のあちこちで三島七傑らしい力感を垣間見せつつ、若さを露呈したり展開に恵まれなかったり、着をまとめきれない光景が相次いだ。このままSGの洗礼を浴び続けてV戦線から脱落するのか。はたまた、強力な相棒のパワーを引き出してニュースター誕生の可能性を残すのか。明日の勝負駆けでの奮闘に期待したい。

追記/明日の戸田地区は「北西の風が14m前後!! 気温は今日より大幅に下がって10度前後」という春の嵐になりそうな予報であります。ご来場の方は暖かい服装で、かつ大荒れ水面に備えた舟券予想を携えてボートレース戸田に向かってくださいませ。(photos/シギ―中尾、text/畠山)