戸田のモーターは8月3日が初下ろし。今年のSGはやけに下ろして間もない時期での開催が多いですね。多摩川オールスター、尼崎グラチャン、大村オーシャンがそうだったし、SGじゃないけど前節の唐津バトルトーナメントもそうだった。で、ちょうど大きな整備も許され始める時期の開催というのも似ていて、それも影響しているのか、前検から本体を割る選手が通常よりも多いのである。
まず2班の前検航走を終えた松井繁がすぐさま部品庫の前へと向かった。今日のところは結局プロペラ調整に専念していたが、部品交換を考えているような様子は見かけている。
4班の前検航走を終えて速攻で本体を割ったのは永田啓二。そのスピードはかなりのもので、まさにあっという間の分解。SG初陣の永田だが、その初っ端は本体整備から始まった、という次第。
同じく4班の古賀繁輝もまた、永田に続いて本体を割った。本体整備テーブルの近く、作業中の選手の背中のあたりにはリードバルブ調整用のテーブルがある。ここで調整をしていたのは峰竜太で、古賀は整備の合間に自身の調整も行ないつつ、峰と会話を交わしているのだった。いやあ、懐かしい。二人が新鋭王座に初出場したのは07年。以来、新鋭王座でこの二人の絡みは山ほど見た。1期違いの佐賀支部同士、まさしく盟友なのだ。しかし現在、峰はトップスターになりつつ、古賀は今回が久々のSG。立場はやや変わってしまった。二人の絡みを久々に見て、古賀の奮闘におおいにエールを送りたくなった次第なのです!
5班組では、新田雄史もすぐさま本体を割っている。ただ、それほど時間をかけずに整備を終わったようだったので、点検程度だった可能性も? これもやはり直前情報をチェックしたい。
後半組では、地元の浜田亜理沙。浜田はボートを下ろす前、プロペラを猛然と叩いていた。ずっと男子が乗ってきたモーターであり、3節前にはアウト専科の小川晃司も乗っている。自分の形とはかなり違うのだろうなあ、と想像していたわけだが、そのうえで前検航走後は本体整備である。もともと数字のないモーターだし、本体自体に難を感じたということだろうか。
ところで、下ろしてから間もない時期のSG、ということでは、尼崎グラチャンでセット交換ラッシュが物議を醸した。それを勘案したか、大村オーシャンではセット交換なし、キャリアボデー交換も抽選ということになったのだった。
「部品交換の抽選を行なうので、参加する選手は部品庫前へ」
すべての前検航走が終わり、しばらく経った頃に耳慣れないアナウンスが。というわけで、部品庫が見える場所に移動してみたら、やってました、部品交換抽選! 抽選で交換する部品を決めるのは、キャリアボデーとギヤケースの模様。今日はキャリアボデー交換を希望する選手はいなかったようで、こちらの抽選箱は奥にしまわれました。ギヤケース交換を希望したのは、浜田、白井英治、藤原啓史朗、高倉和士。茅原悠紀もいましたが、藤原の付き添いか見物だったと見えました(明日、交換していたらすみません)。本体割った組では浜田のみが参加。おそらく、この4人は明日、ギヤケース交換で出走するものと思われます(効果がなければ元に戻す可能性もあるので、直前情報はやはりご確認を)。
それにしても、抽選ってのはやっぱり盛り上がるものですね。GP&QCのトライアル枠番抽選は昔からずっとそうだし、バトルトーナメントやBBCトーナメントも同様。そもそも毎節行なわれるモーター抽選だってそうですよね。この部品交換抽選でも、通りかかった桐生順平が「いいのが出たら、鐘鳴らしてくださ~い!」とリクエスト。白井が爆笑しながら「大当たり~、って?」。参加している選手もそうでない選手も楽しんでいる様子だったのが面白かった。
そして、まさにその足元にあるプロペラ調整所で、西山貴浩が顔色ひとつ変えずに、真剣な眼差しでプロペラ調整をしていたのもなかなかの光景でありました。いちばん大騒ぎしそうでしょ? しかし西山は抽選には目もくれず。キャラを崩壊させるような物言いかもしれないけど、これもまた西山貴浩の真実なのであります。仕事はすべてにおいて真剣。オープニングセレモニーやトークショーも、真剣にふざけてるんですよね。
ところで、前検航走を終えた石野貴之が速攻で通勤着に着替えていた。ということは、もう調整を行なわなず、帰宿を待つのみ、ということ。どうやらステアリングバー(モーターとハンドルを結ぶワイヤーを繋ぐ部品。交換発表はありません)を交換するつもりらしく、ボルトを外してはいたのだが、本体もペラも今日のところは触るつもりはなさそう。ということは、前検で好感触、ということ!? 明日の気配にはぜひ注目したい。(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田)