BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

準優ダイジェスト

ちょい不安のひとり旅

10R
①桐生順平(埼玉) 15
②関 浩哉(群馬)    13
③菊地孝平(静岡)    11
④高倉和士(福岡)    06
⑤前田将太(福岡)    10
⑥濱野谷憲吾(東京)18

 地元の絶対エースがインからしっかり押しきった。ただ、漠とした不安を感じたのは私だけだろうか。まずは起こし~スリット近辺まで、ちょい重めの見え方。そこが重かった分もあってスリット後も外の5艇にぐんぐん伸びられている見え方だった。

 それでもソツのない完璧なインモンキーで逃げきったわけだが、ターン出口の押し足もちょい重めに見えた。同時進行で書いてるため桐生の明日の枠番は分からないけれど、たとえ再度の1号艇であっても盤石のポールポジションとは言えないだろう。もちろん2号艇や3号艇ならなおのこと……現状の桐生25号機はほとんど特徴のないバランス型【出B+・直B+】のまま据え置きとしたい。

 熾烈な2着争いから力強く抜け出したのは29歳の関! バックでは4カドから鋭く差した高倉に分があったし、道中では強烈な伸び足を誇る前田にグイグイ迫られたが、持ち前のターンスピードとサイドの掛かりの良さで旋回するたびに突き離して行った。地元桐生のヤングダービー制覇から1カ月。関浩哉という若者の急速な成長ぶりを、改めて感じさせる3周だった。

 それはそれとして……私は昨日の段階で関62号機に【出A+・直A】の高評価を与えていたのだが、このレースに関してはやや辛口にならざるをえない。スリットから桐生をちょい煽り、さほどロスのない2コース差しから桐生を捕えきれなかったのみならず、ターン出口から高倉にするする先行された行き足~前田に煽られた伸び足は期待していたほどではなかった。今日のところは【出A+・直B+】に割り引いておきたい。

ちょい謎のひとり旅

11R
①毒島 誠(群馬)   05
②佐藤 翼(埼玉)   06
③松井 繁(大阪)   08
④宮地元輝(佐賀)   07
⑤白井英治(山口)   06
⑥上野真之介(佐賀)05

 松井の3カドが引き金になったわけではなさそうだが、しっちゃかめっちゃかの1マークだった。どうした毒島?と問い詰めたくなるほど、大本命の初動が遅れて(外れて?)1マークを超ウルトラオーバーラン。この名手らしからぬ旋回に他艇が大なり小なり巻き込まれる形となった。ただ、反則云々に抵触するほどの事故にはならず、1マークを外しながらも先マイした毒島が独走態勢に。

「1着でホッとしたというより、反省の方が大きい。完全にズレてました。試運転ではこれで大丈夫っていう感じだったのに、本番ではズレていた。うーーん、どうしてなんでしょうねぇ……」
 本人も首を傾げる謎のアクシデントではあったが、まずは戸田SG連覇を狙う強者がファイナルの白か黒のカポックをGETした。1マーク以外は危なげのない勝利だったので、謎を残しつつ【出A+・直A】と据え置きにしておきたい。

 2着争いを制したのは地元の翼。混とんの1マーク出口から、終始1~2艇身くらいのアドバンテージを守り続けた。
「2コースから差す用の調整がしっかりできて、自信をもって交差旋回できました」

 本人にとっても納得の2着。真之介と松井に何度も絡まれながら、すべて冷徹な差しハンドルでじわり差を広げた。パワー比較としてはさほど大きな差を感じない2着争いではあったが、翼65号機も「抜けたパンチ力は感じさせないけど、どんな展開でもしっかり捌ける好バランス」として据え置きの【出A・直A】を授けたい。

めっちゃアロハなひとり旅

12R  並び順
①峰 竜太(佐賀)10
②茅原悠紀(岡山)13
③山田康二(佐賀)16
④平本真之(愛知)11
⑥西山貴浩(福岡)07
⑤馬場貴也(滋賀)09

 茅原がバナレで飛ぶか、西山が前付けに動くか。私は戦前にこの2点を峰攻略のキーポイントと見ていたが、いざ実戦は「茅原は飛ばず、代わりに西山が飛んで5コース奪取」というこじれた正解だった(笑)。最終隊形は穏やかな123/465。西山⇔馬場だけにそこそこ大きな損得が生じたとみていいだろう。

 そして、茅原が飛ばなかったことで、圧倒的優位に立ったのが峰だ。たっぷり助走のインコースからコンマ10全速の絶品スタート。行き足もしっかり1マークを先取りして、そのままファイナル1号艇の花道を疾駆した。それまでの準優と同じく、パワー評価のしにくい一人旅完勝だったので、峰47号機の鑑定は据え置きの【出B+・行A】としておきたい。

 で、これは私だけの目見当かも知れないが、この大本命にもっともにじり寄ったのは3コースの愛弟子・山田だったと思う。やや遅れ目のスタートから軽快な行き足で舳先を並べ、師匠の見えにくいところから師匠顔負けのスピードで割って入ろうとした。3-1勝負の私は一瞬だけ声を発したが、ヤマコーは2コース茅原のブロックを浴びる形でファイナル圏外へと消え去った。うーーん、惜しかった!

 山田が後方にずり下がった代わりに、熾烈な2着争いを演じたのは馬場・平本・西山の3人だ。バック直線で平本がやや先行したが、2マークからは3人の交差旋回で舳先を並べる大混戦。2周ホームではやはり真ん中の平本がやや優位に見えたし、昨日のギヤケースから気配一変の西山が最内から不気味に伸びていたが、大外に構えた馬場が外から外へ、このふたりをまとめて競り潰す強烈な握りマイでケリをつけた。

 あまりのパンチ力に「抜群パワー!」と決めつけたいところだが、あの2周1マークの決着ターンがどこまで相棒のパワーでどこまで乗り手のスピードだったか、判別は難しい。ただ、ストレートの競り合いは、平本よりかなり優勢なのは間違いなかった。ちょいと迷いつつも、昨日の【出B+・直B+】から直線アップの【出B+・直A】に昇格しておこう。(photos/シギ―中尾、text/畠山)