●本体整備！
白井英治は昨日、足は「バランスは取れている」が「特徴がない」と嘆いていた。パンチに欠ける、というのだ。そして、「明日は特徴をつけたい」とも口にしている。着獲りなどいっさい意味がないグランプリファイナル。勝つためには、勝てるだけの特徴がないと苦しい、と考えているわけだ。
今日、白井が採ったのは本体整備！ 早くから整備室にこもって、本体を割った。４Ｒ発売中には試運転に出るようで、その手応え次第でまた動きはあるだろうが、優勝をもぎ取るための勝負手がこれだったわけである。さあ、これがどう出るか。
平本真之はギアケースの調整。大きな作業というわけではないが、優勝戦に向けて着々と準備を進めているといったところだ。やはり４Ｒ発売中に試運転に出ようということだろう、モーターに燃料を装填している。
●プロペラ！
毒島誠がいつもの場所でプロペラを叩いていた。いつもの場所というのは、奥のほうの真ん中あたり。桐生順平と並んでいるのをよく見たが、今日は一人でペラと向き合っていた。６号艇の毒島、といえば、時に飛び出す強烈なピット離れ。それを求めての調整かどうかは、正直わからない。本人に聞いても煙に巻かれるだろう。意表を突くものでなければ意味がないからだ。毒島の腹積もりは果たして。
丸野一樹も早くからプロペラ調整だ。初出場で初優出の丸野が、果たしてどんな精神状態なのか、というのが気になるところではあるが、ほんの少しだけ言葉を交わした感触は、やはり少し緊張気味かな、といったところ。ただ、それが当然なのであって、心配になるようなガッチガチの状態ではまったくなさそうだ。このあと、ますます緊張感は増していくだろうが、それとどう付き合うか、これもひとつの大きな経験だ。
●シリーズ組は……
中島孝平をプロペラ調整室で見かけたが、どうやら今日使う予定のないゲージを片付けているようだった。実際、その10数分後にはゲージケースを手にどこかに向かうところを目撃している。調整というよりは、最終日ならではの“身辺整理”か。余裕が感じられる。
新田雄史はエンジン吊りでしか見ていないが、その都度、ボートリフトの近くにあった自艇のもとに立ち寄っては、簡単な確認作業を行なっている。やはり本格的な調整はもう少し先になりそうな様子。
●九州勢
実は、１～３Ｒの時間帯で、優出した九州勢をほとんど見かけなかった。グランプリもシリーズも、だ。というのも、１～３Ｒに九州地区の選手が出走しておらず、エンジン吊りにも出てこなかったのだ。
見かけたのは瓜生正義だけで、ペラを手に整備室へと向かっている。ゲージ擦りだろうか？ あるいはペラ磨きとか？ とにかく、大きな作業をしているのは見かけていない。
シリーズには西山貴浩、篠崎元志、岡崎恭裕、上野真之介と九州勢がズラリ。見かけたのは、西山と篠崎が控室へ入っていくところだけで、こんなのは見かけたうちに入らない。
そして、峰竜太もついにその姿を確認することができなかった。峰については、まったく、だ。どんな様子で控室にいるのか。うーん、中盤の時間帯あたりに彼らの姿を探しにいくしかないな。（ＰＨＯＴＯ／中尾茂幸 池上一摩 ＴＥＸＴ／黒須田）
