BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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尼崎オーシャンTOPICS 3日目

※今日のイン成績

②③④⑥②②①②①①①転

1着率33% 2連率67% 3連率75%

 

 

※今日の勝利コース

①4勝②3勝③2勝④1勝⑤2勝⑥0勝

 

 

※今日の決まり手

逃げ4 / まくり3/ 差し4/ まくり差し1

 

 

 

妖術使い、ニシジマ

 

 

 

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1Rからイン6連敗、5連続万シュー!!!! 

今日は大波乱の前半戦となった。この不穏な流れを演出したのは、

やはり1R6号艇の西島義則だろう。

プロペラをヤマト→ナカシマに換えて、

チルトも1・0度にアップ。展示タイムでそれまで

のトップタイ(6・49)を弾き出す超伸び型にシフトしながら、

スタート展示では強引な前付け。

まさに変幻自在、神出鬼没、魑魅魍魎。あ、最後のは余計ですか。 

 

 

 

 

 

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この“奇策”(妖術に近いな)に尼崎の水面も驚いたか、

スリット後に森高一真の艇が風に煽られ

360度のバック宙の末に転覆。西島は西島で

伸びなりに強引にまくりに行き、

イン須藤博倫に向こう岸まで弾き飛ばされてしまった。

戦術、戦略、戦法、すべてが奇天烈にして、やんちゃ。

こういう常識に囚われない少年のような好奇心、冒険心、悪戯心

があればこそ、SG7Vを成し遂げ、

50歳の今もこうしてSGで後輩たちの度肝を抜くわけだな。

 

 

 

 

 

 

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全速ターンで艇界の常識を根底から変えたミスター今村豊、

新ペラ制度でも「スーパーピット離れ」らしき技を生み出した西田靖、

記念に出たがらない超個性派の山室展弘、

女子界で別格のオーラを放つ日高逸子、そして西島……

私の同い年の連中ときたら、もう。

他のどの世代にも負けない、宝石のごとき“同級生”だと

私は自負している。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

風に吹かれて……

 

 

見た目には同じように思えたものだが、

今日の風は何かどこかが違ったのか。

あまり見かけない“災難”が多発した。 

まずは、先にも触れた1R森高のバック宙転覆。

3コースの森高はスリットを過ぎてから左右の2艇に挟まれ、

わずかに艇が浮いたところを風に持っていかれた。

追い風、向かい風などと単純に振り分けする我々だが、

実のところは上から下へ、下から上へ、などと気圧の差で

複雑に動いているのだろう。艇とともに空中を一回転した森高は、

それでも後半9Rに元気に参戦し、

イン逃げで貴重な10点をゲットした。

明日は6号艇で、②着か③着あたりの勝負駆けになる。

 

 

 

 

 

 

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5Rでは、道中2着争いを演じていた白井英治が、

謎めいた“事件”に巻き込まれた。2周1マークの手前で初動を入れた途端、風に巻き込まれるような感じで左側に180度反転。

なんとか転覆は免れたが、再び180度旋回して回りなおすまでに、

大差の6着を余儀なくされた。

あるいは、この急旋回でエンジンに何らかのトラブルがあったのか。

後半11Rの白井の差しはまったく引き波を超えられず、

さらに道中でもズルズル後退した。悪夢のような⑥⑥着で、

白井の予選突破はほぼ絶望的になってしまった。

 

 

 

 

 

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そして12R、今垣光太郎までもが妖しげな風にさらわれてしまう。

井口佳典のまくり差しを食った今垣は、それでも2着を死守すべく

2マークで鋭い差しハンドルを入れた。

その直後、やや振り込んで舳先が浮いたところを、

風は見逃さなかった。こちらは何というか、

半回転ひねり付きの側転のような感じで転覆、失格……。

最近の光ちゃんは、SGのたびに何かしらの災難やミスで

V戦線から離脱することが多いのだが、今節も!? 

ドリームで池田妨害の煽りを食い、今日はやんちゃな風に翻弄され、予選41位まで後退した光ちゃん。

それでも、明日①①なら微かにミラクル予選突破の可能性が

残されている。F2持ちで4&6号艇だけど、

この平常心という名の闘魂レーサーは、

諦めることなくピンピンを狙うはずだ。 

 

 

 

 

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嗚呼、それにしても、今日のアレは何だったのか。

自然と共生するボートレースは、

何年たってもわからんことだらけだ。

 

 

(photos/シギー中尾、text/H)