ナデシコたちの朝は早い!
SGなどに比べてもレース場入りは早いといえるのかもしれない。
こちらの出足も決して遅かったわけではないが、
「入り取材」に行ったときには、すでに何人かは「入り済み」に
なっていた。一説によると、落合直子が一番乗りだったとか。
かと思えば、「いや、そうじゃない! 川野芽唯だ」と
川野推しをする者もいる。 いやはや難解だ。
いずれにしても、この二人が早かったのは間違いない。
ちなみに書いておけば、私が「入り取材」に行ったときには
鎌倉涼がファンに囲まれ、笑顔でサインをしていた。
大村はタクシーなどが止められるピットの入り口付近までは
ファンが入れるので、朝から熱心なファンたちが
「入り待ち」に駆けつけていたのだ。一般戦とはいえ、
さすがは「第1回シリーズ」である。
おそらくファンにプレゼントされたのだろう
紫色のバラの花束を持っていたのは……、山下夕貴だ。
バラにも負けない可憐な雰囲気を醸し出していて、
なかなかポイントが高かった! いままではあまり意識していなかったが、なんだか「気になるひと」である。
もしかしたら彼女は、今節、大きくブレイクするかもしれない。
もうひとり、ファン人気が高かったのが西村美智子だ。
もともとキュートな顔立ちをしているのはわかっていたが、
その明るい人柄が愛されるのだろう。
ファンから写真を撮らせてほしいと頼まれると、
にっこりと笑ってVサイン! ピット付近では、
とくべつ面識もない私も含めて、そこにいる人たち誰もに、
素敵な笑顔をみせながら挨拶をしてくれるのだ。
これは、なんというのか……、いいなァ。「あの子、いいなァ」
そんな気持ちを抱かせてくれる選手である。
いいな、といえば、やはり宇野弥生……、
いわゆる弥生さんということになるだろう。
「今日は賞金女王シリーズの前検日なのに、
なぜ賞金女王決定戦出場者である宇野の話になるんだ!
ひいきが過ぎるだろう」とお怒りの方もいるかもしれないが、
本日の大村ピットには、実際に弥生さんが降臨したのだ。
長崎ナンバーの車を運転するのは池田紫乃で、
その車の後ろに弥生さんが乗って、シリーズ出場選手である
片岡恵理を“お届け”! ……つまり送ってきたわけだ。
トランクから荷物も下ろして、運んでいる弥生さんは、
ダウンジャケットとジーンズというスタイルで、なんとも格好よかった。 カムフラージュの布をかけたキャリーケースに
みかんの袋を持ってピットに入っていった細川裕子も格好よかったが、“愛知の女”というのは、そういう姿が実に絵になる。
絵になるといえば海野ゆかり!
トリにも近いタイミングで彼女が現れただけで、
ピット内にはざわめきが起こり、周囲の空気がぱっと華やいだ。
大げさ!? いや、大げさではない。
写真でどこまで伝わるかはわからないが、
帽子をかぶってショールを肩にかけた彼女を見た人たちは誰もが
「スターだぁ」と、ほとんど無意識に口に漏らしていたのだ。
実際に海野本人に「スターですね」と声をかける者もいたくらいだが、それに対して海野は「だって、寒いんだもん」。
か、かわいすぎるやろ……。
ああ、最高の一般戦……。
賞金女王シリーズが、いま始まろうとしている。
(PHOTO/森喜春 TEXT/内池)