THE勝負駆け!
元志独走!
福岡のイケメンタイBOY篠崎元志の勢いが、止まらない。
今日の4Rは怒涛の4カドまくり。
スタートではやや凹んで見えたものだが、
そこからぐんぐん伸びて一気に内3艇を呑みこんでしまった。
機力というより、まさに元志本人の勢い。
若いエナジーがギュッと凝縮して
一気に爆発するようなカドまくりだった。
この一撃圧勝で、節間4勝3着1回。
続く5Rで暫定3位の日高逸子が、
6Rで同2位の服部幸男がともに大敗したため、
早くもこの段階で元志に「予選トップ当確」のランプが点った。
あとは後半9Rをしっかり事故なく走りきるだけ。
それを熟知していたであろう元志は
落ち着いた捌きで3着を取りきり、
①①①③①③という申し分のない成績で予選を終えた。
この9Rで1着だった石渡鉄兵、2着だった池田浩二にも
準優の白カポックが授けられた。
古豪激突!
今日の「ザ・マッチ・オブ・勝負駆け」は、
文句なしに8Rに授けたい。
1号艇が今村豊で、6号艇が西島義則。
1997年の賞金王ファイナルは両雄が逆の艇番で臨み、
6号艇の今村がインを強奪するという“大事件”が起きている。
今日は6号艇の西島(②着条件)が、
当然のように動いた。
最近の西島は「2コースで勘弁してやる」的な
穏やかな前付けも多いのだが、今日はガチでインを獲りに行った。
もちろん、3着条件のミスター今村も譲らない。
西島が舳先を向ける前に、くるり小回りで枠番を死守。
51歳のふたりが、ずんずん流れていく。
イン・今村、2コース・西島。
あの2010年の名人戦の死闘(西島の全速差しV)が
脳裏に浮かぶ。このふたりの戦いは
、“競艇”の歴史でもある。
将棋の歴史を存在そのもので築いた
大山・升田、中原・米長のように。
ふたりの起こしは80mちょい。
実に苦しいイン水域となったのだが、
ともにバチッと1艇身のスタートを決めた。
今村が逃げ、西島が差す。逆に2マークでは西島が先マイし、
今村が差す。2周1マークは、その真逆。
後ろからは何にも来ない一騎打ち。
2周バック、差した西島の舳先がガッチリ食い込んだ。
「今村さん、今度は逃しませんよ」という気迫が伝わる。
そして今村は、西島の舳先が入った瞬間に艇を内に絞り、
コツンと当てた。
私の耳には「絶対に抜かせんぞ、西島ァ!!」と聞こえた。
たまらず、西島の艇が左右に揺れる。
勇躍、今村が突き放す。
ド迫力のガチンコ勝負駆けバトルなのに、
どこかやんちゃ坊主同士の喧嘩のようにも見えて、
私はちょっと笑ってしまった。
今村豊VS西島義則。この子供のように
純粋でやんちゃなふたりの“喧嘩”が、
いつまでも続きますように。
できれば、シリーズではなく、
もうひとつ上の舞台で見られますように。
あの1997年のように。
あ、明日の準優も……?? ムフフ
(photos/シギー中尾、text/H)