BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

浜名湖グラチャンTOPICS 3日目

カポック姿、三人衆

 

 清水次郎長に大政小政、地元静岡の三羽烏が揃ってV圏内に突入した。

 

f:id:boatrace-g-report:20171213150012j:plain

 まず、親分の服部幸男は上位級の行き足~伸びを十二分に生かしきって、安定感抜群の走りを見せている。初日から大崩れなく1232、節間8・00。特にド派手なアクションはなく、ふと気づいてみたら予選TOP4位というあたりが怖い。パワーも選手のリズムも上々の証である。5・3号艇の明日、どこまでこの勝率を維持できるかが重要で、さらに跳ね上がるようなら18年ぶりのSG戴冠が見えてくる。見たい。ガチンコのベストを尽くして見せてくれ、幸男!!

 

f:id:boatrace-g-report:20171213150049j:plain

 年齢的に、徳増秀樹が大政だな。前検の気配は平凡なものだったが、徐々にパワーアップを計り3421と尻上がりにランクアップしている。節間7・50、10位。この1年、静岡支部でもっとも高いレベルで安定した活躍を見せてきた徳増。親分のカリスマ性、小政の一撃破壊力に比べてやや凄みは欠けるが、大器晩成のSG初Vがあっても誰も驚かないだろう。明日の6・5号艇が正念場だ。おそらく前付けに動くし、動かずとも「徳増の5コースの強さは艇界屈指」(黒須田)という心強いデータもある。

 

f:id:boatrace-g-report:20171213150103j:plain

 そして、小政である。菊地孝平が恐るべき確変モードに突入している。私は前検で見逃していたが、初日からパワーも抜群。トップ級の伸びを誇りつつ、回り足も水準以上だ。本人のリズムは、言わずもがなだな。オールスター笹川賞を制した勢いは止まるところを知らず、今節も⑤1113で節間8・40、3位という大暴れぶり。小政と言うより森の石松か。

 

f:id:boatrace-g-report:20171213150122j:plain

 ここ数年の菊地は、こと記念になると「トップSを決めながら直進して差し」という消極的なレースが目立ったが、今節はまくるわまくるわ。久々にSGを制した自信が、そのまま水面に反映されている。もちろん艇界随一のスタート勘には1ミリの狂いもなく、初日から09、15、11、06、15。これはまだ小手調べというレベルで、ガチの勝負どころではさらに集中力を増すことだろう。

 つまり、今節のキックはパワー、リズム、スタート力、メンタリティ、この四拍子が完璧に仕上がっている。死角ゼロ。現時点でもっとも優勝(=SG連覇)に近い男とお伝えしておこう。明日の5号艇を勝ちきるようなら、さらにその確率はぐんとアップするぞー。

 

 

f:id:boatrace-g-report:20171213150148j:plain

53歳、先頭に立ちました!

 

「菊地がもっとも優勝に近い」と聞いて、怒るオールドファンは多いだろうな。3日目を終えて、暫定トップは53歳になったミスター今村豊なのである。その成績1211。先の福岡オールスターでも予選トップ通過だったし。何十回も書いてきたが、ミスター、あんた凄い、凄すぎる!! 

 

f:id:boatrace-g-report:20171213150211j:plain

 今節のレースっぷりも見事の一語。初日は3コースからひとまくり(強ツケマイ)、2日目は「瓜生にまくられながらの5コースまくり差し」という技ありの名人芸で2着、今日は2コースズブ差し&イン逃げと、3日間4走ですべての戦法を披露した。パワー的にも、なんでもできる乗り心地のいい足なのだろう。行き足の良さは、前検から目を引いていた。さらに、思ったところに舳先が向く機敏さもあるとなれば鬼に金棒だな。明日は予選最後の鬼門となる6号艇。これを乗りきって予選トップ死守なんてことになったら……流れ的に優勝戦は①今村豊②菊地③服部ってな感じになりそうだな。ん、この並びって、最近どこかで見たような……??(photos/シギー中尾、text/畠山)

f:id:boatrace-g-report:20171213150228j:plain