BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

宮島グラチャンTOPICS 4日目

THE勝負駆け①予選トップ争い
『ハイパー三銃士』揃い踏み!!!

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 すでに速報でもお伝えしたが、昨日まで暫定トップの徳増秀樹が2号艇&6号艇という最終関門をピンピン連勝で突破。8Rの時点でシリーズリーダーの座を確定させた。その成績112111着。昨日の1号艇=イン逃げ以外はすべて3コースというレアな予選だったが、「徳増の外に付きたい」という各選手の思いがそれを実現させたのだろう。45号機の行き足~伸びはそれほど魅力的なものだった。

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「あと2戦を逃げきれば準パーフェクトV!」という権利をゲットした徳増ではあるが、超抜45号機を以てしてもさほど簡単な所業ではないと私は思っている。昨日も書いたとおり、今節は鬼のように伸びーーーーる鬼足軍団が何人も存在し、その面々が順当に予選を勝ち上がったからだ。

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 徳増以外では上野真之介、峰竜太、菊地孝平、坪井康晴(田村隆信、岡崎恭裕もそれなりに伸びるが鬼の領域ではない)。これら手強いライバルたちが準優や優勝戦でどんな枠番に配置されるか、あるいは自滅するか、などで徳増のV確率は大きく変わるだろう。徳増1号艇として厄介なライバルは【A・4号艇で4カド想定の上野、B・3号艇で3コース想定の峰、C・6号艇で前付けを決めたときの菊地】ってな感じで、これらのポジションが重なるようなら大ピンチと思っているのだがどうか。

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 徳増以外の準優1号艇は予選2位・上野&同3位・峰竜太(今日はピンピン連勝で桐生順平をハナ差だけ差しきり!)の師弟コンビが奪い取り、とりあえず明日は『ハイパー三銃士』(←私の勝手な呼称)の直接対決はお預けとなった。もちろん、この3人がきれいに割れた以上、まんまファイナル1~3号艇を占拠する確率はかなり高い、と当たり前すぎる予想をお伝えしておこう。

THE勝負駆け②準優ボーダー争い
「仁義なき波瀾」の予兆

 一方、予選18位=準優ボーダーは日がな5・60前後を小刻みに往来し、最終的には5・50という私の予想(6・00)を下回る数字で落ち着いた。徳増と上野だけで【11111111222】を吸い取った影響だろう(笑)。で、今日の勝負駆けMVPをひとりピックアップするなら、1号艇以外で1・2着をもぎ取った前本泰和だ。

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 地元の広島支部からただひとり参戦している前本は、昨日まで5533着と大苦戦。ターン回りでダダ滑りしていた初日2戦を見て「今後の巻き返しは不可能か」などと思ったものだが、そこは名うての整備巧者。2日目以降は中堅レベルながらもしっかりサイドが掛かるほど出足が上昇し、今日は課題のストレート足も軽快に見えた。間に合った、と言うより「ギリギリ間に合わせた」が相応しい。
 ならば、あとは地元の気合がそのモーターに乗り移る。前半1Rは5号艇のピットからゴリゴリ動いて2コースGET。イン平本真之×4カド前田将太の競りに乗じて最内をズバッと差し抜けた。展開の利もあったが、複数の引き波スプラッシュの中に突っ込んでいく姿は「絶対に勝つ!」という思いをまんま感じさせるものだった。

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 後半9Rも2コースからしっかり外を封じての差し回り。イン羽野直也には届かなかったが、西村拓也、寺田祥との三つ巴の熾烈な2着争いを制して最低ノルマの8点を奪い取った。予選の最終順位は17位。足も得点もギリギリ滑り込みセーフ!ってな感じの4日間だったわけだ。
 で、いざ準優圏内に潜り込んでしまえば、もちろん末席の6号艇であっても軽視できる男ではない。いや、6号艇だからこそレースそのものを大きく変える可能性を秘めている。目には見えない地元ファンの思いを背に受けて、明日の10Rはピットアウトからどこまで攻めるか。1号艇・上野が少しでも油断するようなら、あっと驚くイン強奪まで想定しておきたい。

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 もうひとり、今日の成績は1号艇で2着(←徳増のまくり差し。相手が悪かった!)と威張れるものではなかったが、福来剛の14位当選にも拍手を送りたい。トータル成績は12345着のオーソドックスな6・00。正直、2日目の3号艇1着(湯川のまくりをマークしつつ「抜き」で勝利)以外はあまり印象がなく「あれ、いつの間に??」的な14位ではあったが、それこそが地力アップの証とも言えるだろう。
 SG初参戦はつい3カ月前の地元・平和島クラシック。40歳手前にしてのSGデビューはかなりの遅咲きと言うしかないが、その嬉しい初舞台でファイナルまで上り詰めた姿は記憶に新しい(5号艇5着)。そしてそして、地元から遠く離れた2度目のSGでも、あれよあれよとセミファイナルの座を勝ち取ってしまった。SG予選突破率100%!(笑) 39歳にして、間違いなく急成長を遂げているのだ。明日の福来は、先にも書いた⑥前本と同じ10R。6コースになる可能性はかなり高いが、地元の前本が暴れれば暴れるほどサプライズ優出の確率もアップする。この大舞台の6コース想定では図抜けた人気薄になるはずで、助兵衛な穴党としてはネット舟券の2、3着にこっそりと遅咲きの戦士をまぶしておきたい。(photos/チャーリー池上、text/畠山)