BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット@シリーズ――意地が見たい

 

 

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 鎌田義とは、この2年半、密に連絡を取り合ってきた。もちろんBOATBoyの連載について、だ。その間、さまざまな話をした。カマギーというより、鎌田義としての彼の強い思いもたくさん聞いてきた。その連載も1月号(先月号)で終了した。そしてつい先日、鎌田と会った。今後に懸ける胸の内を、鎌田は語った。

 それを端的に表現するなら、この表情を見せるだけで十分なのかな、と思った。モーター抽選ではカマギーらしさを見せていたようだが、しかしこの一戦に向けての本音の表情はこちらである。本当は悔しくてたまらないシリーズ戦出場。しかし、鎌田はチャレンジを終えて、新たな一歩を踏み出している。ここから、だ。もうすでに、ここから新たな戦い、だ。結果にどう結びついていくのかは、明日以降の戦いを見届けるしかないが、もしかしたら明日から早くもNEOカマギーが見られるかもしれない。

 

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 新生グランプリに、もっとも近いところまで辿り着き、しかし悔しい思いをしたのは、次点でシリーズ回りとなった田中信一郎だろう。ミスター賞金王の名をほしいままにしてきた田中にとって、この新たなるグランプリには何としても出場を果たしたかったはず。やはりシリーズに名を連ねるのは不本意なはずだ。

 また別の意味で、もっとも近いところまで辿り着いたのは吉田俊彦だ。チャレンジカップ優出、2着でグランプリ行きだったのだが、3着に敗れた。2番手争いに加わりながら、だ。これもまた、悔しい。あと一歩で獲物を逃すことこそ、悔しさを最大限に増幅してしまうものである。

 その二人が、たまたま一緒にいるところを目撃した。笑顔で語らっていたが、本音のところはどうだっただろう。もちろん、すでに気持ちは切り替えて、シリーズ戦をイワすことに全力を尽くすことだろう。だから、二人とも無理に笑っているわけではなく、前検日ということもあって、まだリラックスしている部分もあったはずだ。だからこそ、この笑顔を来年につなげる走りをシリーズ戦では見せてほしい。そう、「来年こそ!」という思いが見えるレースを、シリーズ組には期待したいのである。

 

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 そういう意味で、篠崎元志には特に、そうした部分を見せてもらいたいと思う。メモリアル(MB記念)までSGに出場できなかった元志は、グランプリの権利争いにおいては大きなビハインドを背負っていた。だが、元志は本気で、そんな状況のなかでのグランプリ行きを信じ、目指した。そして、それはかなわなかった。やはりシリーズ行きは不本意だったのだ。

 今日、元志は昨年の出場で手にした“賞金王ジャンパー”を着用していた。特に意味はなかったのかもしれないが、僕はそれを元志の決意表明と受け取りたい。俺がいるべき場所はその上なのだと、周りに知らしめるというよりは自分に強く強く言い聞かせるための、このジャンパー着用だったと決めつけたいのだ。前田将太とじゃれている姿は微笑ましいものだったけれども、水面では彼らしい闘志を見せてくれるだろう。(黒須田)