BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット@シリーズ――気持ちを伝える!

 

 

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 これぞ勝負駆けだ! 落合直子の気合の前付け。そして道中の死に物狂いの追い上げ。地元で予選落ちは許されない。何より自分を許せない。そんな思いがビンビン伝わってくる走りだった。

 2周2マークで渾身のツケマイを放った時、サイドがかからずに流れている。消波装置にぶつかる! ピットには一瞬、悲鳴があがっている。実際に当たったかどうかはピットからは確認できなかったが、落合はすぐに鮮烈に復帰し、また前を追いかけている。いやあ、落合、カッコ良かった!

 レース後は、大瀧明日香と話しながら、激しい身振り手振りを加えながらのレース回顧。4着に敗れた悔しさよりも、闘志むき出しのレースをしたことの興奮が感じられた。現時点では、予選突破は苦しい立場となってしまっている。しかし、その気持ちのこもった走りには、心から拍手を送りたい。

 

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 2Rの高橋淳美も、やはり決意の大きさが感じられるレースぶりであった。落合同様に3番手争いになっているのだ、いったんは樋口由加里に先んじられている。しかし2周2マーク、内に突っ込むと見せて外に出し、すかさず最内に艇を運んだハンドル捌きはお見事。これで樋口に並びかけ、3周1マークで捌いている。

 2周バックあたりから、エンジン吊りに向かう選手たちが控室をでてリフトに向かい始めていた。鎌倉涼が装着場内モニターのあたりに差しかかったのは、3周1マーク手前。ふと目を向けてモニターに、高橋が樋口と並んでいるのが映し出されているのに気づいた鎌倉は、そこで足を止めている。そして、高橋が捌いて3番手に浮上したのをしっかりと見届けた。鎌倉は無表情でまたリフトへと走り出したが、この気合の逆転劇は鎌倉にも勇気を与えたに違いない。

 高橋は、この3着で後半に望みをつないでいる。6R1号艇。さらに強い気合を見せてくれるはずだ。

 

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 1R、武藤綾子がイン逃げ快勝。大瀧明日香の差しをしのいで、今節初1着である。

 その武藤に寄り添ったのは、岩崎芳美。もともとは同支部(岩崎は熊本出身=福岡支部で結婚後に徳島に移籍)で、そして同期! 71期生である。71期といえば、海野ゆかり。昨日トライアルで痛い妨害失格を喫してしまった。戦う場所は違っても、こうして同期がレースや結果でエールを送ることもある。もちろん武藤も岩崎も自分のために勝利を追い求めるのだが、結果、仲間に力を与えることもあるだろう。戦っているレースは違っても、同じ場所で戦う仲間同士。それぞれに思いを共有し合うことだってあるのである。(PHOTO/池上一摩 黒須田 TEXT/黒須田)