BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――細川の動向は?

 

 

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 池上カメラマンが「4000! 4000!」とか騒いでいる。何の話かと思ったら、ペラ室で山川美由紀と日高逸子が並んで叩いているのだった。通算2000勝コンビ! なるほど足して4000か。女子ではただ二人の2000勝達成レーサーが、優勝戦の日に肩を並べている。別に意味はないけど、嬉しくなった。

 そのまた隣には、通算1500勝の寺田千恵! 5500! 思わず1700勝レーサーの谷川里江の姿を探しましたね。それぞれぴったり2000とか1500とか1700じゃないから、全部足したら8000くらいになりますかね。もっとも、谷川の姿はペラ室にはなく、そんなに都合よくいくわけがないのである。

 

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 で、寺田の隣には、中里優子がいた。通算590勝だから、テラッチと合わせて2000。実質2000勝トリオ! なんてことはどうでもよくて、中里は寺田と会話を交わしていたのであった。二人の顔が真剣だったから、これは中里が寺田にアドバイスを求めた場面としか見えない。寺田はかなり強くペラを叩いていて、時折その手を休めて、中里に向き合っていた。中里も神妙にうなずいている。1R前に行なわれた優出インタビューで、中里は別の形にプロペラを叩き、それを煮詰めていきたいと語っている。そのあたりの助けを寺田に求めたかたちだろうか。このあと、どんなふうに仕上がっていくかが楽しみになってきた。

 

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 2号艇でも主役と目されるのではないかと思われる平高奈菜も、1R発売中には川野芽唯と“臨時ペラ調整所”に姿があった。その表情は実ににこやかで、同期同士の楽しいおしゃべり、といった光景にも見える。もちろんそんなわけはなく、仕事の話をしているわけだが、表情はとにかく明るい。このあと、平高と平山智加とか、平高と倉田郁美とか、さまざまな選手との絡みを目撃したが、いずれも笑顔笑顔! これを「気合が空回りするのを笑顔でブレーキかけてる」と考えるのは、うがち過ぎですか? リラックスしているとするなら、それはもちろん好材料だが。

 

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 この三人も早い動きだったわけだが、滝川真由子はさらに早い。1R発売中には試運転を走っていた。昨日、細川裕子が早くから走っていて、「この時間から?」と訝ったりもしたものだが、滝川は昨日もこの時間帯に走ってましたね。同じ時間帯を走って、昨日との感触の違いを感じ取ろうとしている? ともかく、初めての大一番を迎えても、滝川は浮足立ったふうはない。陸での表情を見ても、いつものように柔らかく、癒し系だ。

 

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 大瀧明日香は、2R終了後にプロペラを外し、ペラ室に入っている。優勝戦組の動き出しとしたら、まあ妥当なところだろうか。表情は、ちょっとカタい? まあ、普段の大瀧は、誰かと絡んだりしていないときには、わりと淡々とした雰囲気なので、カタいと断言する自信はない。ようするに、いつもと変わりない、という評価をするべきなのかもしれないわけだ。……なんか歯切れ悪いな。

 

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 さて、動向が気になる細川裕子。朝のスタート特訓では、2本とも6コース! その後、ボートを陸に上げて、ほぼ動きがない。チルトは1度。昨日の会見では、チルトをすべて試してみる、とのことだったが、その結論が1度、なのだろうか。もちろん、ここからまた動きがあるだろうが、少なくとも3R発売中まではモーターにペラがついたままだったし、エンジン吊りを終えると控室へと戻っている。もう少し気温が下がったころに試運転して、さらに煮詰めていくのか。それともやっぱり昨日までに戻す? みなさん、直前情報とスタート展示は要チェック。山川のコース獲りもカギを握るが、細川の動向もまた、大きなカギを握っている。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)