BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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浜名湖ダービー『前検を斬る!!』

 

 浜名湖ダービーの前検が終わりました。「今節もどんぐりで上下の較差が少ないのでは?」と勝手に値踏みしていたのですが、いやいや、けっこう差がありましたよ。特にスリット付近で伸びる艇と下がる艇、これが極端なくらいはっきりしていたように感じました。

「浜名湖は海水と淡水がほどよくブレンドしていて、よく伸びるし乗り心地もいい。24場でいちばん好きな水面だったよ」(元SGレーサー談)という情報もあり、今節はこのスリット付近の足を特に重視します。で、馬鹿に良く見えた順に重い番付を授けるとしましょう。

 

SS級(節イチ候補)

★★★平本真之=56号機

 

 

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 坪井との足合わせはターン回りでやや煽られたものの、そこからの伸び返しに「おっ!!??」という不気味な迫力を感じた。続く赤岩とのマッチアップは圧勝。そして、スタート特訓では起こし→スリットまでの加速度がゴキゲンで、特にスロー起こしからの行き足に圧倒的なものを感じた。ダッシュは一息かも知れないが、とにかく今日の前検の中でいちばん凄みを感じるパワーだった。ダッシュ戦での伸びはどうか? 坪井に煽られた回り足はどうか? という疑問はあるが、「なんだかスゴイ!!」という直感を信じて節イチ指名。

 

S級(抜群候補)

★★守田俊介=19号機

 

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 いやーー、これほどスリット付近で俊敏に伸びる俊キチは、そうそう見ないぞ。課題の体重も、前検段階で52キロ!!!!と減量に成功しており、その効果がスタート特訓にも反映されたかも知れない。平本同様、スロー起こしからスリット付近までの行き足が抜群で、その後の伸び負けもなさそう。この足で50キロまでダイエットしたら、SG初Vがあっても私は驚かないぞ。

 

★★田中信一郎=7号機

 

 

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 スタート特訓は3本ともに他の5艇を出し抜く気配。エンジンそのものが急上昇機として注目されているが、それに最近の信一郎の勢いが乗り移ったような凄みを感じた。ラッキーセブンの数字も不気味だし。三拍子揃った安定感では鉄板のSS級も、前評判がかなり高い分だけSに抑えておく。ちなみに、明日の6Rは①信一郎③俊介⑥平本のいきなり直接対決!! パワー差を測れるレース展開になってくれれば嬉しいのだが。

 

A級(上位候補)

★原田篤志=25号機

 

 

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 さすがのエース機。信一郎同様に欠点の見当たらない気配で、3コース起こしからグイグイグイ、ダッシュの5・6コースからはギュイーーーンと唸りをあげていた。「前節最後の転覆&ペラ交換でどうなった?」という不安は、ほとんど何も考えなくていい出来栄えだったな。これまたSS級でも不思議はないのだが、数字&実績で誰もがしっているためA程度にしておこう(笑)。あ、この機は出すぎて何度かFを誘発?しているのだが、今日の篤も「①F14、②F12、③F09」……。明日のスタートがちと心配ではある。

 

★石野貴之=64号機

 

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 最近、この番付の常連になっているが、今日も惚れ惚れする気配だった。特に、スリット~1マークまでの伸び。元よりこれが64号機の自慢であり、さらにその部分の足を重視する石野によって特化された?? となると、思い出すのはあの三国オーシャンだ。まあ、あそこまで他艇を千切るパワーにはならないとは思うが、スタート次第で常にまくり一撃があることは間違いないぞ!

 

★松村 敏=1号機

 

 

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 地元の記者さんなどの間で「いちばん怖い隠れエース?」との噂がある1号機。確かに起こし~行き足はかなり軽快で、同じ班でいうなら「行き足の松村、伸びの石野」という感じで2艇がキラリ光って見えた。何本目だったか、内の艇より1艇身近く遅れてスリットを通過し、そこから瞬時に舳先を並べた足はかなり不気味に見えた(さすがに相手が放ったからだと思うが)。この面々に入れば舟券的な妙味も高く、常に穴候補のひとりとして念頭に置いておきたい。

 

★白石 健=51号機

 

 

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 スローでもダッシュでもスリットから半艇身伸びてゆく感じで、握ったときの反応がすこぶる良さそうに見えた。まあ、F2の身の上だからして反応が良すぎるのは怖いかも知れないが、スタートさえ集中して決めれば6コースからでも穴を提供できる足だと思う。今のところ唯一のF2選手でもあり、今節の大穴を左右するキーマンとも言えるだろう。穴党は目をつぶって狙ってもらいたい。

 

 以上、7人をピックアップしておきます。まあ、どれも2連率40%を超える上位機ばかりなんですが「いいものはいい」って感じですかね。同じような銘柄モーターでも、今垣光太郎=60号機、上平真二=38号機(25号機とともに「Wエース」の下馬評)、吉田拡郎=12号機(BB誌11月号で「俺の節イチ」指名)あたりは、あまり目立ちませんでした。

 そうそうストレート以外、つまり回り足関連については坪井康晴、角谷健吾が良く見えました。要注意。

 前検タイムです。

 

前検時計TOP10

①松井 繁  6.59

②田中信一郎 6.60

③吉川元浩 6.61

 岡崎恭裕

⑤上平真二 6.62

 瓜生正義

 坂口 周

 原田篤志

 石野貴之

⑩今村 豊 6.64

 仲口博崇

 吉田拡郎

 山田哲也

 平本真之

 

 

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 最近伸び型になりやすい王者・松井が前検トップ。これをどう料理していくのかは大いに注目すべきでしょう。以下はそこそこ妥当な感じだと思いますね。

 

前検ワースト5

①石田政吾  6.71

 守田俊介

 今坂勝広

 中島孝平

 三井所尊春

 

 5人が同タイムで並びましたがトップとは0.12差。直線に関してはいつもより接戦ムードですか。この程度の差ならあまり気にする必要もなさそうですが、ちょっと三井所の動きがかなり鈍く見えたのが気にはなります。(photos/シギー中尾、text/畠山)