BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット@シリーズ――グランプリにいるべき(?)男たち

 

 

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 松井繁がそこにいるからか、どうしても「グランプリにいるはず」の選手に目が奪われてしまう。当然、その松井が筆頭格。10Rのシリーズ復活戦では原田幸哉の2着で、エンジン吊りを終え控室に向かう間に、勝った原田と談笑している姿に不思議なものを感じてしまう。また、松井は10R終了後の帰宿バス1便には乗らず、最後まで残っている。傍観することになったグランプリを、どんな思いで見つめていただろうか。さらに、松井は枠番抽選も見学している。組み合わせを掲示するボードの陰に隠れるようにして、ガラポンを見つめる松井。誰が何号艇を引いても、ほとんど眉ひとつ動かさなかった。自分が参加していない枠番抽選は、松井にどんなふうに映っただろうか。

 

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 原田幸哉は、勝利者インタビューなどがレース後にあるから、帰りたくても帰れなかったか。その後はヒマを持て余すかのように、装着場に出てきたり、控室に入ったりを繰り返している。10R終了後は松井も笑っていたが、原田も笑っていた。12R発売中には、雑談の範囲で原田とは長話をさせてもらったが、さまざまな思いを抱えつつ、自分が走れなかったトライアル2ndのピットに残ったようだった。で、そのおかげなのか何なのか、原田にはサイン入りの蒲郡オリジナルTシャツをいただいてしまった!(池田浩二のサインも!)BOATBoyの読者プレゼントとなりますので、欲しい方はぜひご応募を(←宣伝かよ)。

 

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 今垣光太郎も、1便で帰ることはなかった。といっても、今垣が帰るはずもない。前検日、グランプリ組は1便で帰るよう指示があったようだが、それでも今垣は志願して最後までピットに残った。それが光ちゃん。それが光ちゃんの“平常”である。今垣は残って、ギアケース調整をとことん行なっていた。すでに他の選手の作業の様子がほぼ見られない整備室で(下條雄太郎がゲージ擦りをしてはいた)、今垣はひたすらにパワーアップに励んだのだ。

 

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 ハナからシリーズ回りとなってしまったが、井口佳典も本来ならグランプリに出ているべき一人。昨年はファイナリストなのだから、ただただ悔しい一節であろう。その井口が、9Rで差し快勝。1マークの出口では逃げた山口剛に舳先がかかるかどうかという態勢だったのに、ぐいぐいと前に出て、2マークまでには完全に並んでいたのだから、これはすごいアシ! 山口の足色がどうかという問題もあるが、これは気持ちのいい勝ち方だろう。というわけで、井口はこの笑顔! 結果もそうだが、選手はモーターの手応えで気分はおおいに上下するもの。この表情を見れば、井口も足色にかなり納得していることがわかろうというものだ。

 

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 もう一人、年頭から18位圏内をキープし続けながら、最後の最後に転げ落ちてしまった平本真之。前半レースで選手責任の沈没となってしまい、2日目終了後の予選トップから順位を大幅に下げることとなってしまったのだが、8Rはお見事! 5コースからの1着で巻き返しに成功した。レース後の平本に「ナイス巻き返し!」と声をかけると、平本は「まだある!」。予選突破の目がまだある、ということだろう。平本はこういう短い一言で返答するケースがけっこうあるな(笑)。まだあるどころか、9位に再浮上だ。連覇を狙え!(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 黒須田 TEXT/黒須田)