BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――いつも通り

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 優勝戦1号艇で迎えた今日の気分はいかがですか。
 なんともまあ、ありがちな質問であるが、普段と変わりのないように一見できる中島孝平を見ていたら、つい問いかけてしまった。返ってきた言葉も予想できるもの。
「いつもと変わらないですよ。今のところは平常心でいけそうですね」
 朝の段階では、まあこういうことになるだろう。そして実際、萩原秀人や武田修宏さんと話す表情はただただ自然なのであった。
 ただ、まあこれも当たり前なのだろうが、そうした質問を鬱陶しく思っているのではないか、という雰囲気も感じられた。もしかしたら僕の前にも同じことを訊かれたかもしれない。僕の後にも訊く人がいるかもしれない。それでもきちんと向き合って丁寧に応えてくれる中島の人柄には感じるものもあるが、そうした「SG優勝戦1号艇に対する周囲の扱い」には慣れないところもあるかもしれない。初体験だから、それも当然かもしれないが。

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 全体のお話を書こうとすると、SG優勝戦の朝にいつも書いていることとまったく同じことになる。落ち着いている。朝からカタくなっているような選手は少ない。動き出しはまだ先のことになりそう。SG優勝戦の朝というのは、もはやこういうものなのである。つまり、いつも通り。
 動き出しが先になりそう、ということでいえば、白井英治はまだモーターを乗せてもいない。そしてこれはいつものことだ。2R発売中あたりから装着場に姿をあらわしてはいるから、徐々にマイペースの準備を始めていくだろう。前田将太も、モーターは装着されてはいるけれども、特に動いている様子はない。エンジン吊りで姿を見かけただけで、これがまた、なんともリラックスした様子だった。

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 新田雄史は整備室のゲージ擦りテーブルにいた。実際に擦り擦りしていたかどうかはわからない。というか、それをしているところを目撃はしていない。ペラにゲージを合わせて、みたいなアクションはあったものの、ゲージ擦りが目的ではないように思えた。吉川元浩はペラ室からキャリーケースを持ち出して、控室のほうへと運んでいった。ペラ室の中や周囲にはキャリーケースがたくさん置かれていたりするものだが、これはゲージを収納して持ち運ぶもの。つまり、吉川はすでにゲージを片付けたものと思われる。あとは微調整で充分ということだろう。ということは、新田も必要最低限のゲージ以外は片付けようとしていたところだったのか。ともかく、もはや吉川も新田も、大きな調整は必要ないということだ。

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 平本真之も特に作業なし。で、笑顔が爽やか! 2年前のこの場所でも、ニコニコと笑顔を浮かべてはいたが、あのときは優勝戦1号艇、多少のカタさが混ざっていたように思う。今日は6号艇、緊張のカケラのようなものは見当たらない。あのときとは違う条件、違う心持でどんなパフォーマンスを見せてくれるのか。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)