ボートレース界の一番長い夜。ナイターグランプリの最終日が始まった。
12時40分すぎにピットに入ると、最初に出会ったのがファイナル1号艇の石野貴之。さすが、地元選手のGPポールポジション。整備室前からペラ調整室まで移動する間に、4人の関係者から次々に話しかけられていた。石野は丁寧に応対する。
余談になるがそのうちの一人が黒須田。ボートボーイ誌で「令和初のグランプリファイナリスト6人全員のサイン」をプレゼントするとのこと。ちなみに6選手のうち、サイン色紙に『GP』の文字を書いたのは石野だけだった。
桐生順平はいつものごとく哲学者のようなたたずまい。ただめったにピットで笑顔をみせない桐生が、少し笑顔をみせていたのが印象的だ。優出インタビューでは「日に日に良くなっているが、もう一調整する」とのこと。動き出しはこれからか。
2ndステージで無傷の2連勝をあげながら、昨日の6着でファイナルの枠番を悪くしたのが毒島誠。「昨日は叩き変えたのがアダになった」ということので、今日はふたたび大幅にペラを叩くだろう。インタビューでは口にしていなかったが、ペラを叩いた毒島はピット離れも怖いぞ。
13時にGP優勝戦のスタート特訓が始まる。1回目の進入隊形は、123/56。あれ? 白井がいない!? と思いきや、ギリギリになって係留ピットから出てきて、特訓に参加していた。
特訓から上がってきた瓜生正義は淡々とした表情。これまで何度もGPに出場し、GPを獲得した瓜生に焦りはない。
リラックスした選手が多いなか、ベテランGP優勝者の吉川元浩は気合が入っている。インタビューで「すんなり6コースはない」とコメントしていたように、吉川は進入で斬り込んでいく。今から気持ちを高めているのだろう。
GP慣れした選手ばかりの12Rと違い、11Rシリーズ優勝戦には4000番台のフレッシュな選手がそろった。
西村拓也と永井彪也はSG初優出。ちなみに1号艇の木下翔太と永井には、平成生まれのSG制覇もかかっている。
こうして写真を並べてみると、あらためてイケメン揃い。シリーズ優勝戦は、次代のボート界を占うレースになる。
(TEXT姫園 PHOTO中尾)