BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――穏やかに過ぎる朝

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 まあいつものことなのだが、優勝戦のメンバーが朝のうちからドタバタ動いているということは、まずない。9時55分からイベントホールで優出インタビューがあった関係もあって、1Rスタート展示前後には動き自体がほぼなかったと言っていい。ピットに帰還後は、きっちり艇番順に地上波中継のインタビュー収録。SGなどでは手すきの選手がばらばらとあらわれて収録に臨んでいるので、艇番通りに、しかも規則的にあらわれてインタビューを終わらせるというのは、なかなか珍しい光景だったりする。

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 その後も、各選手ともにマイペースな動き。野添貴裕は、モーター架台をボートリフト周辺に並べる“新兵仕事”をやっていたりして。今節の新兵は吉川元浩、岩崎正哉、金子龍介、平尾崇典といったあたりだが、彼らがサボっているわけではなく、おおよそ70期前後の選手が「気がついた者が動く」という感じで、自然とそうした作業をしている場面をよく見たものだった。

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 今村豊が整備室に向かったので見に行くと、ゲージ擦りを行なうテーブルで、何かメモをとっていた。ボートを見ると、ペラは着いたまま。何のメモ取りだったのかも不明だ。その後は2R発売中にペラ調整開始。ほぼ同じタイミングで、柏野幸二、平石和男もペラ調整に取り掛かっている。この3人は、整備室奥の調整室にこもった。

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 ふと見ると、装着場の真ん中で、渡邉英児が服部幸男と話し込む姿があった。二人とも笑みを浮かべながらの会談で、「後輩が先輩にアドバイスを求めている」類いの会話には見えなかった。それでも、服部が身近にいることは精神的に強みではある。服部と別れた渡邉は、次には大場敏と同じように会話。同県同期の後押しも、やっぱり強みにはなろう。

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 もっともゆったりしていたのは、1~2Rあたりにはほとんどピットで姿を見なかった市川哲也ということになるか。ただ、1Rスタート展示前、プロペラが外されていたのは平石と市川で、市川もすでに調整の準備ができているとも考えられる。この後、時間をたっぷりと使って、武器を磨き上げることだろう。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)