BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――勝利を目指して

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 今朝、大きな調整をしていたのは近江翔吾。本体を割って、整備士さんの助言を聞きながら整備を施していた。今節は部品交換をしている選手も少なくない状況で、3日目の朝の本体整備は近江のみ。もっとも、成績がもうひとつの選手は出番が早い場合が多いということもあるだろう。近江は9R1回乗り。時間があるからこそ本体にも手をつけられる。出番がどこになるか、というのもどんな調整をするのかを左右することもある。近江は昨日はキャリアボデーを交換している。それで6着を2本並べてしまっており、整備をもう一丁ということだろう(キャリアボデーも戻したかもしれないので、直前情報をご確認ください)。

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 必然的に混み合うのはプロペラ調整室。多くの選手の姿があるし、試運転からそのまま直行する者もいる。1R発売中には、3~4Rに出走する、レースが迫っている選手の姿ももちろんある。たとえば永井彪也。試運転と調整を可能な限り直前まで行なって、まさに最善を尽くしているわけだ。と書いていたら、3R2着。調整が奏功したのだろうか。

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 昨日フライングに散った磯部誠も、まったく勝負を投げることなく、調整に励む。地元のつもりでベストを尽くす、その気合が勇み足を招いてしまったか、といえばまったく違うと磯部は言う。彼にとっては、ヤングダービーだろうが地元だろうが、遠征の一般戦だろうが、すべて同じひとつのレース。さらにいえば、来月の地元ダービーも同様。すべて「勝ちに行くレース」ということになる。それが勝負師としてあるべき姿だと信じ、また舟券を買ってくれるファンのためと確信している。ということはつまり、F後のレースも同じことだ。さすがにFへの意識は強くなるが、それでも「6コースでも勝てる」という思いで今日からはオール外枠になるはずのレースに臨む。話した感じ、やはり落胆はそれなりに強そうだが、気持ちが折れているわけではない。まだ磯部の“地元ヤングダービー”は3日間も残っている。

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 1Rを逃げ切った山田祐也は、その磯部に祝福されていた。えー、正直ただ絡んでいっただけのように見えなくもなかったが(笑)、「よかったねえ」という声も聞こえたので、やはり祝福されていたのだろう。2日目までは冴えない成績だっただけに、1号艇を落とさずに済んだことでさすがにホッとした表情。この勝利は準優にもつながる“一日早い勝負駆け”だっただけに、安堵の思いも強いだろう。

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 2Rを逃げ切ったのは松尾充。こちらを祝福したのは先輩の西川昌希。松尾が陸に戻ってくるや、大拍手で出迎えた。さらに東海勢ということもあって、磯部も祝福。松尾はこれがGⅠ初勝利。“曲者”と“悪ガキレーサー”に称えられる気分やいかに(笑)。今節のピットでは、明らかに西川と磯部がムードメーカー。だから、初勝利のエンジン吊りも必然的に賑やかなものになる。これはこれで、嬉しいものだろう。東海地区で水神祭の可能性があるのは、あと野中一平。彼もまたフライングを切ってしまったわけだが、外枠からの勝利で波乱を巻き起こして、大騒ぎの水神祭を見せてほしい。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 黒須田 TEXT/黒須田)