12月三国につづいて2度目のレディースvsルーキーズバトル。といっても、三国から続いて出場する選手はいないので、今回も全員が男女団体戦初体験である。三国でもそうだったが、団体戦の雰囲気は今日のピットにはなし。エンジン吊りは男女一丸だし、今日はひたすら前検作業にいそしむのみである。まあ、エンジン吊り以外では男女の絡みはあまり見られず、女子はエンジン吊りを待つ間などに笑い声をピットに轟かせながら“井戸端会議”に興じるのであった。団体戦でピリピリムード、などというものはどこにも見当たらず、実にリラックスした空気が漂っていた。
もちろん、テキパキと働いているのはルーキーズ。この場合のルーキーズは女子も含むわけで、東京支部で登番が最も若い中村かなえや今節最年少の柴田百恵は駈けずり回っていた。114期の倉持莉々もルーキー世代だから、彼女もまた装着場内を飛び回る。そうか、女子ではこの3人が“新兵”になるのか。明日からも忙しく動くことになるのだろう。
などと感心して見ていたら、今節の登番が最上位の宮本紀美もモーター架台を運んだりして、率先して動いているではないか。地元の重鎮的な存在となる今節、全国的に注目される開催ということもあって、強い責任感を抱いているのかも。もっとも、宮本が架台を運んでいると中村あたりが慌ててバトンタッチしてもいたのだが。
男子ルーキーズでは、澤崎雄哉や門間雄大らが忙しそうだった。この2人が東京支部の男子最若手2人。やはり節間通して、働く姿を目にすることになるだろう。澤崎はエース機をゲットしており、水面での活躍も期待! 陸の上でも水の上でも、思いっ切り駆けてほしい。
東京支部では、佐藤隆太郎に主役級の活躍を期待したい。昨年の福岡バトルトーナメントでは瓜生正義を撃破するなど、目覚ましい活躍を見せてくれた佐藤だが、その後はどうにも伸び悩んだような格好で、A2級を脱出できていない。その間に、同期の仲谷颯仁はGⅠを勝ち、関浩哉はヤングダービーを制した。一時期の勢いでは決して負けていなかっただけに、東京のファンとしてはやや歯がゆいところがあるわけだ。初日ドリームにも選出されているし、地元の利も活かして優勝争いをリードしていってもらいたい。佐藤の活躍が、ルーキーズに活力を与えるということもあるはずである。
さて、江戸川からのレポートは今回が初めて。唯一無二の河川コースである江戸川だが、ピットもまた唯一無二なのだ。なんたって、ボートが空を飛ぶのである! 取材などでピットに入ったことは何度もあるので、これが初見ではないのだが、こうして改めてピット全体の取材をしてみると、やはりこれは異様な光景。いまやボートリフトを使っていないのはここだけで、ピットに帰投すると係員さんたちがセッティングをして、ボートを吊り上げて装着場まで運ぶのだ。
水面とピットの間には、土手と言うか堤防がドンとあるので、こういう方式になる。選手は、その間に階段を使って装着場へと戻っていくのである。
だから、エンジン吊りの様子も他場とは異なってくる。通常、リフトで陸に上げられるとすぐにエンジン吊りが始まり、当該選手はヘルメットやカポックを身に着けたままで作業をする。しかし江戸川では、ボートが水面から到着するより先に選手が戻ってくるので、まずカポックを脱ぎ、そして出迎えの仲間と一緒にボートの到着を待つのである。すなわち、エンジン吊り時に勝負服姿の選手は見当たらないのだ。
他場と違う点はまだある。写真はモーターを格納するために運んでいるところ。どこかに入っていこうとしているわけだが、その向こうに整備室があるかというと、そうではないのだ。では、どこに入っていこうとしているのか。
これがなんと、エレベーターなのだ。江戸川の整備室は競技棟の4階にある。装着場は2階の部分にあたるので、モーターは整備室行きのエレベーターで運ぶのである。もちろん、調整に向かう選手もこれに乗る。モーターが乗っかると3人くらいが定員だろうか。エレベーターは2基あるので、乗れなかった選手はもう片方が来るのを待つ、という次第。これもまた唯一無二ですな。江戸川のピットは実に新鮮だ。新設企画レースということもあって、水面でも陸の上でも節間通して新鮮な光景を目にすることになるだろう。取材するほうも楽しみです。ファンの皆さんも、おおいにフレッシュ江戸川バトルを楽しんでください!(黒須田)