BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――走る!

 今日のところはシリーズ組=42名と通常のビッグより選手数が少なく、前検航走も7班しかない、というわけで、ピットでのいちばんの感想は「アッという間に前検が終わった」というものだったりする。入場が許されていないモーター抽選も普段より早く終わったと推測され、選手が水面に出てくるのも早かったし、SGでは1班(ドリーム組)のスタート練習&タイム測定が始まる14時頃には前半4班までの航走が終わったほどだ。
 そしてまた、選手たちの動きも実にキビキビとしており、多くの選手が走って移動していたりして、それもまた時間の経過を早く感じさせた一因か。最年長=日高逸子が猛然とエンジン吊りに駆けていくのを見た時には唖然としましたがね。ほんと、グレートマザーはいつまでも若々しい!

 なかでもいちばん走っているのを見かけたのは深見亜由美。ピットでの往来を見かけたうちの8割方は走っていたのではないか。そしてまた、実に多くの選手と絡んでいたのですね、これが。今年の尼崎レディースvsルーキーズが初対面だったのだが、思い出してみればあのときも男女問わず多くの選手と会話を交わしているのを見たように記憶している。いわゆるビッグのピットでは初めて見るわけだが、そういう選手だったのね、と改めて感心。

 歩きより遅い駆け足、が持ち味の金田幸子も、今日は全力疾走! この住之江は、控室からボートリフトまでの距離がかなり長く、エンジン吊りに駆け付ける際に選手が駆け足で向かうというのは、何も今日だけでなく、これまでのSGでもよく見かけるシーンではある。1班の航走を終えて控室に戻り、その間に2班のスタート練習とタイム測定が終わって、金ちゃんダッシュ! 今日はそれだけでなく、整備室からリフトへとダッシュする金田も見かけたな。師も走るほど忙しいから12月を師走と呼ぶわけだが、12月の住之江では金ちゃんも走っているわけである。

 若手はもちろん走ります。自分の作業だけでなく、新兵仕事にも駆け回るわけで、のんびり歩いているわけにはいかないのである。今節の登番が最も若い選手は清水愛美。127期生がシリーズとはいえ早くもビッグにやって来た。逸材との評判も高い清水だが、このピットではダントツの新兵。スタート練習とタイム測定が始まった頃にはリフト回りや整備室近辺をひたすら走り回っているのだった。

 それにしても、今節登番最上位の渡辺千草が55期。清水とは72期も離れている! ここに駒を進めてきた清水もたいしたものだが、まだまだ元気いっぱいの渡辺千草、凄すぎでしょ! いまや女子選手の登番最上位ともなっているわけだが、今年はレディースチャンピオンにも出場したし、来期もA級だし、まさしく女子レーサー界の誇りである。今節は清水との72期差対決が楽しみですな。(黒須田)