BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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それぞれのベスト6決定

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 ルーキーズの準優勝負駆けは10Rで決着。今泉友吾と佐藤隆太郎がしっかりポイントを積み上げ、その時点で中田達也の7・17が6位だったが、11Rと12Rの男子でこれを超えられる選手はいなかった。今泉と佐藤のワンツーでボーダーが上がったのだ。白組の面々はおおよそ把握していたようで、中田も「俺、6号艇か」などと仲間に対して口にしていた。

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 地元の意地を見せた今泉と佐藤の表情は明るい。特に佐藤のほうは大敗なら少々首元が寒くなっていたところだったから、ここで予選突破を確定させたことに安堵の表情も見せていた。澤崎雄哉も含めて、東京支部からは3人が優出。なんとか面目を保った格好だ。

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 結果、次点となったのは佐藤博亮。得点率7・00は、昨日の時点の想定ならボーダーを超えると思われたが、ボーダーが上がったことで泣かされた格好だ。9Rは澤崎が1着、佐藤が2着という結果だが、もしこれが逆だったら立場はまるっきり入れ替わっていた。それもまた悔しい話だ。で、今節JLCのピット解説に入っている青山登さんは7・00という得点率を見て、「よかったな」と佐藤に声をかけたらしい(笑)。唯一のA1級として、準優出はノルマとも言えただけに、いろいろな意味で無念の一日なのであった。

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 逆に、女子のほうは混沌とした。先に書いてしまうと、12Rが終わった時点でもベスト6のゆくえはすぐにはつかめなかったのだ。発端は、10Rで大豆生田蒼が6着に大敗し、5・50まで得点率を下げたことか。4着で6・00、これならまず当確だったのだが、まさかのシンガリ負け。最終的に5・50という得点率になる可能性のある選手が(その時点で5・50だった渡邉優美も含めて)複数いたので、ピットでワタシも頭が混乱しておりました。

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 11Rは平高奈菜が1着。道中の逆転劇は、やはり女子に入れば一枚も二枚も上手であることを改めて感じさせるものだった。荒れ気味の水面で猛追したからだろう、ピットに戻ってきた平高は疲労困憊の足取り。それでも、仲間の出迎えを受けてすっきりした笑顔を見せている。充実感もあっただろう。

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 無事故完走だった栢場優子は5着。いずれにせよ、準優出は決まっていたわけだが、出迎えた東京支部に向かって両腕を水平に広げて「セーフ!」。これはおそらく団体戦を意識したものだろう。6着を獲ってしまったチームが不利になるのは明らかなので、道中で順位を下げながら5着に踏みとどまってセーフ、ということだろう。でも栢場さん、ここは平高と森岡真希のワンツーなので、6着でもレディースに1ポイントでした(笑)。

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 最後の混沌は12R。6コースから板橋侑我が伸びてまくりを放っていったが、インの魚谷香織が張り気味に旋回。そして、板橋がターンの出口で転覆してしまったのだ。これにより、藤原菜希が先頭に立ち、鈴木諒祐、黒野元基が続いた。4番手は喜井つかさ。まず、ワタシの頭が混乱したのは、喜井がこれで5・50になったこと。すかさず大豆生田との上位着順差を調べると、二人とも113456……まったく同じやないかーい! こうなるとタイム差が勝負を分けるのだが、その時点でそれを確認するすべがなかった。ちなみに、女子選手たちが額を突き合わせて、状況を計算し合っている光景も見られている。

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 もうひとつ気になるのは、魚谷が不良航法なり妨害なりをとられていないか、であった。何事もなければレディースが1着4着5着で1ポイントゲット、しかし何事かがあったのならルーキーズにポイントが渡ってしまう。そして、ここは無事故完走で準優当確だった魚谷の得点率はどうなってしまう!? 
 エンジン吊りが終わると、ピットのモニターの前に女子が集結。リプレイが流され始めたのだ。魚谷は心配そうな顔で画面に見入る。栢場も神妙にリプレイを見つめていた。そして1マーク。板橋の転覆は、魚谷の航法に関係なくバランスを崩したもので(選手たちは「めくれた」と言っていた)、むしろ魚谷が煽りを食った感もある。それを確認すると、栢場は大丈夫、と口にし(これは団体戦を意識した言葉でしょう)、魚谷も安堵の表情を浮かべたのだった(これは個人、団体両方の意味で、でしょう)。減点ナシなら、魚谷はもちろん予選突破である。

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 結局、女子の6位が誰なのかは判然とする前にピットから選手の姿は消えたのだが、結果的に6位は喜井つかさ。出走表を見ると、女子の準優はB2級が3人いて驚くかもしれないが、言うまでもなく3人とも実質A級選手です(出走回数不足でB2級になってるだけ)。というわけで、大混戦を切り抜けて、準優メンバーが決定した。この準優は男女別のレースとなるため団体戦の対象ではないが、最終日にポイントの高いレースを戦う選手が決まったということでもある。レディースはここまでリードされてしまっているが、この6人を中心に大ドンデン返しを決めることができるか。(PHOTO/池上一摩 黒須田 TEXT/黒須田)