BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――ミスターが……

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 ミスター終戦……。2Rで今村豊が6着に敗れ、予選突破が絶望的になった。何があるのかわからないボートレース、可能性はゼロではないが、まず厳しいだろう。今村は2010年のマスターズデビュー以来、9回出場して8優出。あと1回も、予選突破は果たしている(当時は準優進出戦があって、これも1着突破)。10回目にして、初めての予選落ちが濃厚なのである。やはり寂しい。

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 今村にとっては、連続準優出が途切れたということではなく、単純に6着が、予選落ち濃厚なことが悔しいであろう。敗れたときでもピットに戻ると声を張り上げていたりすることも多い今村が、実に力弱い様子であった。控室へ戻る足取りも重く、カポック脱ぎ場で他の選手と話す声にも力がない。ミスターらしくない……。6R、また明日からの戦いで、元気いっぱいなミスターが見たい!

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 本日、石川真二の誕生日です! おめでとうございます! 昨日のレース後に本体整備に着手した石川。「誕生日プレゼントでクランクシャフト出してもらいました(笑)」とのこと。プロペラではどうやっても回転が上がらず、理想の飛び仕上がりにはならなかったようで、本体に原因を求めたというわけだ。バナレの名手でも、ペラだけではどうにもできないモーターがある、ということ。ボートレースの奥深さのひとつである。

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 淡々とした様子でペラ室に入っていった太田和美。暫定2位で予選最終日を迎え、さらにもう一丁調整か……と思ったら、同期の福田雅一の向かいにちょこんと座り、福田の様子を穏やかに見守っていた。プロペラを叩く雰囲気ではまったくない。太田のこうした腹の据え方は本当に見事で、レースで勝負できると思えばあとは水面に集中するわけだ。そして、こういうときこそ太田は結果を出している、と思う。ノーハンマーで好成績を叩き出す。これもやはりボートの奥深さだろう。

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 その瞬間、調整室をざっと見渡せば、松井繁、服部幸男、市川哲也、濱野谷憲吾、さらに三角哲男……SGウィナーばっかり! マスターズにはさすが名優が勢揃い……などとも思ったが、よく考えればこのメンバーにはSGでしょっちゅう会っているのであった。マスターズのメンバーが豪華になったことを改めて実感しますね。王者はギアケースの調整もやっていた。勝負駆けに向けて粛々と準備を進めている。
 そう、今朝のピットの様子は、粛々、と表現するのが当たっているかも。勝負駆けを何百回も戦ってきた凄玉たちは、今日という日でもジタバタなどするわけがないのである。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 黒須田 TEXT/黒須田)