BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット--新旧女王とドリーム戦インタビュー

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 平成元年のレディースチャンピオンを優勝したのは日高逸子。それから30年、令和初のレディースチャンピオンにも有力選手として参戦する。しかもこの間に女子戦が停滞していたわけではない。むしろ選手層は厚くなり、その技量も上がった。30年にわたってトップを維持するプロスポーツ選手はほぼ皆無だ。平成最後の女王になった山川美由紀に続き、令和最初のレディチャンもベテラン勢が活躍するのか。

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 自分の作業の合間に、モーター架台を動かしたりボートに付属品をつけたりと、いわゆる新兵作業をこなしているのは大山千広。
 日高がレディースチャンピオンに輝いたとき、大山はまだ生まれていなかった。というか、引退した母の大山博美さんですら、まだデビュー1年半くらいだったと考えると、やはり凄まじい。

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 旧福岡の女王が日高なら、未来の福岡の女王候補は大山だろう。で、現・福岡の女王は小野生奈だ。明日のドリーム戦も1号艇で登場する。
 小野の特訓は握り込みが甘かったようで、特訓1本目はコンマ38のドカ遅れ。2本目はフライング。特訓終了後にはさっそくエンジンをバラしている姿が見られた。整備上手として一部では知られる小野。明日の12Rまでにどこまで自分の理想に近づけてくるか注目である。

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 ドリーム2号艇の寺田千恵(あ、彼女も元福岡か!)は、小野とは違って好感触。
「ペラのわりに回転が上がっている。すこぶる行き足がいいワケではない自分の範囲内。(バランスが取れていて)このまま行っていいもいいかなと思えるくらい」
 1号艇の小野がどこまで仕上げられるか微妙な状態。それに対して寺田はターン回りの感触がいい。差しが入るのか!?

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 かつて「寺田が女子王座を取れないのは艇界の七不思議」といわれていたが、今ならさしずめ「遠藤エミが~~」か。クイクラでG1は制しているから、七不思議というほどのものでもないか?
 遠藤はペラを叩いて特訓に参加したが、
「ペラをやりすぎていた。やりなおす。ギアケースの点検もする」とDRインタビューでコメント。口調はいつもどおり淡々。

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 ピット内で笑顔が目立ったのは長嶋万記。彼女は機力や成績が厳しくても笑顔を絶やさないようにしている節がある。Tシャツも“ニコニコ”ボートレース部だし。そして今回はエンジンも笑顔のようだ。
「行き足はすごく良さそう。特訓では放っているのに出ていった。ターン回りと乗り心地は気になるが前回の蒲郡よりは全然いい」
 ドリーム戦はエンジン的にも願ったり叶ったりの4号艇。過去1年間の「まくり/差し数」は5/1。今の長嶋は4カドで獰猛に攻めていく。こちらは悲願のG1制覇が今節にかかっている。

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 中谷朋子の66号機は前節で転覆。中谷は状態を確認すべく真っ先に水面へ出ていく。その後ペラを調整してから特訓。
「自分の中ではいい。ペラを叩いてグリップ感がきた」
 とのこと。グリップ感がきたのなら、差し・まくり差しには最適。一昔前の中谷はまくりが多い印象だったが、今はダッシュに入ると差し優勢。攻める長嶋と連動する展開がありそう。

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 6号艇は田口節子はとくに作業をせずに特訓に参加したとのこと。
「乗った感じは体感が悪かった。直線の体感はすごく悪い。スタートはバラバラ」
 とマイナスコメント。ただし、
「機歴を調べるといいときがあったので、ペラをいろいろ試してみて、一番いい状態で明日は行きたい」

 ドリーム戦インタビューが終わると、スタート特訓はもう中盤。ピット内も閑散としてきたので私は撤収。明日が待ち遠しい。

(TEXT姫園 PHOTO中尾茂幸)