クイクラ組
『前検をちょこっと斬る!!』
徳山クイクラTOP12の前検作業が行われました。例によってレースの合間の試運転&10R後と11R後に一班ずつスタート練習という流れ。通常の前検と違って何かと慌ただしく、自信度は2/5という感じですが、私なりの所見を記しておきます。
☆足合わせ
かなり2マーク寄りの記者席からの“観戦”なのでターン回りはほぼ分からず。ストレート足の優劣のみ列挙しておきます。
大山>樋口(ほんのわずか)
遠藤=大山(前半はやや大山、後半はやや遠藤)
寺田<長嶋(ほんのちょっぴり)
長嶋>大山(全般に長嶋ペース)
田口>樋口(ほんのわずか)
守屋>竹井(ほんのわずか)
日高<香川(出口やや日高もその後は香川)
香川>寺田(ほんのちょっぴり)
長嶋>今井(全般に長嶋ペース)
長嶋>寺田(ほんのちょっぴり)
他にもマッチアップはあったはずですが、別作業や移動等で見落としてしまったと思います。悪しからず。私が見た限りではどの足合わせも極端な優劣はなく、トータルで考えると香川と長嶋がちょい優勢だったかも。続いてスタート練習の所見と前検タイム。
第1班(10R後)
①遠藤エミ(滋賀)6.83
②守屋美穂(岡山)6.82
③田口節子(岡山)6.90
④日高逸子(福岡)6.92
⑤小野生奈(福岡)6.82
⑥長嶋万記(静岡)6.86
☆一本目…123/456
穏やかな枠なり3・3から明らかに3コースの田口が早起こしでスリット突出(+21)。4カドの日高も舳先を並べる+20だったが、こちらの方が出足~行き足と軽快に出て行ったように見えた。この突き抜けた2騎にお付き合いしてしまって他4艇の足色は分からず(汗)。
☆二本目…4526/13
ここで良く見えたのはスロー4コースに構えた長嶋。起こし~出足~行き足のツナギがスムースでスリットまで軽快に加速する感じ。
☆三本目…13/2456
守屋が3カド?? これは実戦想定の作戦ではなく「1本だけでもダッシュを」という便宜上の3カドですな。その守屋のスリット付近もなかなかだったが、ここで目立ったのは深く引いた小野の行き足~伸び。スリットからスーーッと出て行って、外の長嶋は少しやられながらも追随する特訓だった。
★総評…つまりは3本とも別々の選手に目を奪われた感じで、総合評価は下せませんっ!! 私の目の曇りを詫びつつ、それぞれの選手がスタート合わせだったり出足検査だったり伸び足チェックだったり、その思惑が三々五々にスリット付近に反映されたと勝手に自己弁護しておきます。前検タイムを見る限り、小野と守屋の行き足~伸びはやはり上々なのかも?
第2班(11R後)
①大山千広(福岡)6.90
②松本晶恵(群馬)6.92
③寺田千恵(岡山)6.86
④平高奈菜(香川)6.91
⑤今井美亜(福井)6.93
⑥香川素子(滋賀)6.87
☆一本目…123/456
穏やかな枠なり3・3で良く見えたのは寺田と香川。どっちもやや早起こしだったのですが、寺田の出足~行き足のツナギ、香川のスリット付近の伸び足が抜けて見えました。
☆二本目…563/421
内外が入れ替わる中、同じ3コースに構えた寺田がやはり上々の気配。今度はさほど早起こしには見えなかったのに、ぴゅーーっと加速して突き抜ける感じ(+12のF)。他ではダッシュ勢から5コース松本がちょこっと覗く雰囲気でした。
☆三本目…124/536
なんとなんと、ここもテラッチ!? ダッシュの5コースから実にスムースに出て行った。外にくっ付いた香川もスリット後からしっかり追随してましたが、とにかくコッチの班はテラッチの出足~行き足ばかりが目を惹いてしまった。
★総評…正直、テラッチ61号機は「トップ12基ではダメダメな部類かも」と馬鹿にしていたのだが、良く見えてしまったものは仕方がない。聞けば新プロペラに交換したらしく、これがプラスに働いた? 前検タイムもコッチではトップだし、ハナから見直す必要がありそうだ。
下馬評の高い香川74号機もゴキゲンムード。今日のところは全部の足が強めのバランス型か。逆に苦しそうに見えたのは平高50号機と今井59号機。どっちも起こしからテラッチらに置いて行かれる感じで、特にその出足系統は平高が厳しそうに見えたのだがどうか。
最後に第1班vs第2班の優劣は微妙だが、第1班の方に注目すべきモーターが集結(守屋、田口、小野、長嶋)していたのは間違いないところ。で、前検タイムも第1班がかなり秀逸なのだが、この時間帯だけホーム向かい風になっていたので過信は禁物だ。
シリーズTOPICS
今日のトップヒロイン
☆喜多須杏奈(徳島)
デビューから7年半と長い時間を要したが、「110期やまとチャンプ」の資質がやっと大きく開花しつつある。今日の1Rはアウト6コースからただひとりコンマゼロ台まで踏み込み、迷わず内の諸先輩を絞め倒してからのまくり差し。藤崎小百合の小回り差しに屈したが、自力で攻めたてての6コース2着は賞賛に値する。
後半9Rは4カドから内の大先輩・山川美由紀の攻めに乗ってのシャープな差しハンドル。レース足が軽快な落合直子のイン逃げには惜しくも届かなかったが、ここも山川を従えて貴重な2着をもぎ取った。昨日のイン逃げから1・2・2着で暫定4位。順位のみならず、すでに6・4号艇を消化したアドバンテージも小さくはない。つい3日前のクリスマスイヴに宮島の男女混合戦で優出(5着)した自信が、そのまま隣県の徳山に持ち込まれたレースっぷりではあるな。
女子訓練生として同県の女傑・横西奏恵さんに次ぐ“養成所”チャンプになった瞬間から、実力以上に注目され続けてきた杏奈。まだまだ「後継者」と呼ぶには物足りない部分が多すぎるが、前節~今日までの10日間の活躍が過去7年分に匹敵するほどの自信とスキルアップを生み出す可能性は低くない。
今日の地元の意地!
☆向井美鈴(山口)
地元・山口支部の3人娘が、まさかまさかの大苦戦!! 昨日の成績を羅列するだけで悲惨な状況が分かるだろう。佐々木裕美の3・4着はまだしも、向井美鈴が6・6着、同じく津田裕絵も6・6着……這いまくったふたりは、初日にして崖っぷちの勝負駆けレベルまで追いつめられてしまった。
捲土重来を期して臨んだ2日目は、やや余力のあった佐々木裕美が見せ場もなく5・4着と敗れてこれまた勝負駆け圏内へ(29位)。11月に39号機とともに圧倒的な強さで優勝しただけに、同じ選手、同じ水面とは思えないほどの悲壮感が漂ってしまう。
一方、津田裕絵は1・4号艇で2・4着と相応の結果は残したが、昨日の借金が大きすぎて35位に低迷したまま。そしてそして、8Rの2着で逆襲モードに突入した選手班長の向井美鈴は、5号艇の12Rでとびっきりの勝負手を放った。前付けで3コース奪取! ピットアウトからなりふり構わず突き進む地元のエースに、内の松瀬弘美や池田紫乃らは早々に脇道へと外れた。海が真っ二つに割れたとされる『十戒』の如き進軍。その凄まじい気迫は、通常の前付け3コースよりかなり美味しい120m起こしをもたらした。が、そこからの出足の重さといい1マークまでの伸び足といい、気持ちとは裏腹にまったく迫力がないパワーのままズルズルと6着に敗れ去った。
そう、今日までの地元トリオを総括するなら、「3人ともに可哀そうなくらい劣勢パワー」なのである。もちろん、6・6・2・6着で38位/42人と底辺を這う美鈴は、それでも心が折れることはないだろう。明日もあれやこれやと整備をしつつ、地元ファンに恥じないレースを目指すであろう3人は、いつ何時も侮ってはならないとお伝えしておこう。
あ、最後に……昨日、「ピグモン」まで降格した川野芽唯の“怪獣パワー”32号機は、今日はやや行き足が上昇して「ガラモン」(←分からない若者はお父さんかグーグル先生に聞いてね♪)へと育ったようです(笑)。ここからさらにレッドキング~ゼットン級になることを祈りつつ、明日以降も暖かく見守っていく所存です。芽唯ちゃーーーーん、ガンバッ!!(photos/シギー中尾、text/畠山)