BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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津レディチャン『前検を斬る!』

 津レディチャンの前検作業が終わりました。今日の津水面は特訓の前半=後半ともに3m前後のホーム追い風。風の変化による展示タイムの誤差は、ほとんどなさそうでした。そんな中、バカに良く見えた順に列挙して行きます。

S級(抜群候補)

寺田千恵=61号機

 ドリーム班のみならず、今日の全特訓の中でいちばんパンチが利いた見え方! 起こしからスーーッと出て行ってスリット近辺でぎゃん伸び、さらにそこから1マークまで伸びて行く感じ。三島十傑だから不思議とは言えないが、この見え方は謎が多い。前操者・澤大輔が優勝戦でチルト3度まで跳ねたのにちっとも伸びず(畠山主観)、6着大敗していたから。そのままもらったであろうテラッチが、この短時間でどこまで叩き換えたのか。叩ききれなかったとして、どうしてこんなに起こしから反応が良いのか。
※と、ここまで書いたところで某記者さんから「テラッチはチルト3度のまま行ったって」との貴重な情報が! それはそれで「なぜ起こしからスムーズに出て行ったのか?」という疑問が残るのだが、とにかくバカに良く見えたもんは仕方がない。それより大事な疑問がひとつ。
――テラッチ、明日のドリーム戦までにどう叩き換えるの??
 まさか3号艇でチルト3のまま行くわけもなし、まったく違う足色になってしまうのか、そのあたりは特訓から注目したい。

若狭奈美子=60号機

 謎解きっぽい魅力でテラッチ61号を先に書いたが、特訓を通じての安定感ではこっちが上。①6コース~②5カドのダッシュ起こしも迫力満点だったが、むしろ圧巻は三本目のインコース。スロー3艇がまったく同じ起こしでスリット手前まで舳先を並べていたのに、スリット前後からイン若狭だけスーーーーンと突出! 特訓のイン戦でそんな見え方は超レアなので、即座に◎を打った次第だ。ま、三島の第一席だからして驚くには値しないけれど。今節の若狭60号は【7R1号艇】からスタート。勝ち負けはともかく、「スリットからの伸び返しは半端ないぞ」、とお伝えしておく。

A級(上位候補)

香川素子=56号機

 三島十傑以外でいちばん良く見えたのがこの人機。スローでもダッシュでも握り込みからの押し足が軽快で、スリットまでストレスなく出て行く。スローではそこからもうひと伸び、ダッシュでは売り切れる見え方だから、できればスロー水域で上位着を量産したいパワーか。まず、明日の【1R1号艇】でしっかり10点を稼ぎ、余力をもって後半【10R5号艇】に臨みたい。

廣中智紗衣=31号機

 あるいはハナからSランクでも、という力強い特訓だったが、隣で劣勢だった金田幸子30号機がかなりヤバイ足色すぎて……川野芽唯との足合わせでは1マークでキャビって失速、終了。特訓でも起こしからズリ下がるため、廣中が圧倒的優位に見え過ぎていた(他艇より強めでもあったが)。三島の第二席だからしてSでも不思議はないけれど、大事をとってAランクまで。どっちかというと、金田30号機が心配でたまらない第4班ではあった。

滝川真由子=43号機

 伸びフェチの私がこっそり期待している43号機は、おそらく出足重視の滝川流に叩き換えたかしらん? 遠藤エミや樋口由加里との足合わせではスリット裏から豪快に伸びていたが、スタート練習ではむしろ出足~行き足あたりの軽快さが目立った。真相は分からんが、おそらく前回の黒柳浩孝みたいな伸びなりスリット一撃仕様とは別路線のパワーになると思う。それでも、こっそり応援するけれど……。

中村桃佳=66号機

 三島第三席は足合わせが絶品。西岡成美、清埜翔子と合わせてかなり優勢な見え方で、この時点で「A以上」と決めたほど。で、この66号機は三島評「スリット番長」だからして、どんだけ出て行くか期待したらば、肩透かしというか、あまり他艇と変わらない見え方だった。この班は3本ともスリットラインがバラバラで比較しにくい特訓ではあったが、それでも飛ぶように出て行くピーチ姫が見たかった。足合わせとのギャップがよう分からんので、A級の末席としておきます。

 他では西橋奈未、遠藤エミ、向井美鈴の出足~行き足、高田ひかる、山川美由紀、藤原菜希の伸び足もゴキゲンでした。前検タイムです。

前検時計TOP10
①藤原菜希  6.66
②深川麻奈美 6.69
③高田ひかる 6.71
④寺田千恵   6.72
 山川美由紀
⑥岩崎芳美   6.73
 犬童千秋
⑧中村桃佳   6.74
⑨大瀧明日香 6.75
 三浦永理
 守屋美穂
 松尾夏海

 おお、藤原が断トツのトップ時計!!?? 確かに、桃佳と同班でスリットからやや優勢な勢いは感じたけど、ここまで抜けた時計とは思わなかった。2位の深川も「平山智加よりかなり強めだなぁ」と思いつつ、「智加ちゃんがかなり悪いのかも?」とソッチに傾いておりました。3位からは想定内で、果たしてテラッチ61号機がどうするのか、ばかりが気になる数字ではあります。

前検ワースト5
①長嶋万記 6.95
②鎌倉 涼 6.94
③岸 恵子 6.92
④魚谷香織 6.90
 原田佑実

 おやおや、ドリーム1号艇でいちばん引き波の影響がなかったはずの長嶋がワースト?? でもって、2位もドリーム組の鎌倉っすか。確かに同班のテラッチばかりが目立った特訓ではあったけど、ここまでの大差(万記と0.23差)ではなかったはず。今日の計測は「1マーク近辺のレスキューを通過してからの直線計測」というちょっと変則なスタイルだったため、数字に開きが出たのかも? 私はあまり気にしないようにしまーす。(photos/シギー中尾、text/畠山)