昨年の最終日の記事を見たら、「朝はめちゃめちゃ静か」「ファイナル組は動きなし」と記しているが、今日は様相がまるで違う。峰竜太が真剣な顔をしてモーターを装着していて、その前にはもろもろの点検も済ませていた様子。完全燃焼を狙う男が、朝から精力的に動いているのだ。
その頃、白石健はすでに試運転中。こちらも動き出しは早い。ペラ調整にも精を出していて、ゆっくりしようという雰囲気は皆無。今日はすっかり晴れ上がり、気温はやや低下。そのあたりの調整も必要ということだろう。
徳増秀樹も1R発売中には着水。いったんボートを係留所につけ、2R発売中に試運転に出た。その前には、腕立て伏せとストレッチで入念に体をほぐしていた。寒いから、しっかり準備運動をしなきゃね!
それらに対して、内枠のふたりはわりとゆったり目の動き出しだ。福田宗平はペラ調整を始めている様子だったが、それよりもモーター架台の用意や、あかくみスポンジの準備など、若手仕事のほうが忙しそうだった。その間も表情は鋭い。
いちばんモーターの装着が遅かったのはなんと栗城匠。余裕綽々というわけでもないのだろうが、まるで浮足立ったところがない。声をかけて、気分はどう?と尋ねたら、「優勝したらインタビューがあるじゃないですか。それが緊張しますね。うまくしゃべれるかどうか」だって。話している間もまるで優勝戦1号艇の重圧や注目が集まる舞台の雰囲気に呑まれるところは見当たらない。この男、大物だぞ。なお、モーター装着の際に日高逸子が軽くヘルプ。年齢差を思えば、まさにグレートマザーのたたずまいでした。
実績組のなかでは、瓜生正義が遅めの動き出し。といっても、モーターの点検などは入念に行なっており、ようするにいつも通りの優勝戦の朝。やはり貫録たっぷり!(黒須田)