BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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寒風吹きすさぶ2日目後半ピット

 寒波が1マーク側から吹き付ける。ピットに立っていると身をすくめたくなるような寒さだ。選手にとっても厳しい水面だったようで、中村将隆のフライング、井上忠政の転覆(選手責任)など、事故も起こった。

 ペラを叩く音を聴けば、今節出ている選手なのか、出ていない選手なのかがわかる。少し大袈裟な表現だが、何かを変えたい選手ほど、激しい音を立ててハンマーを振り下ろしていることが多いのも事実。同じく頻繁に試運転している選手も不調であることが多いような気がする。

 後半ピットでペラをガンガンと叩く姿が目についたのは前田滉と畑竜生である。

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 前田滉は2000年生まれの19歳。今節で唯一の十代の選手だ。初日成績が6着5着、そして今日の6Rが5着。俗にいう“地を這う”状態だが、養成所時代のリーグ勝率は7.62あり、デビュー前から「めちゃめちゃ上手い」と評判が聞こえてきた逸材。コースに入るようになって以降(昨年11月から)の3連対率は53%ある。今のところ人気はまったくないが、ペラさえ合わせ切れれば、どこかで穴をあけてきそうな雰囲気があるぞ。

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 畑竜生は津のフレッシュルーキー。こちらは初日の1号艇で3着に敗れ、今日は5着4着と、不本意な成績が続いている。注目度の高い地元の舞台で結果を出したいところだ。

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 ペラを叩く畑のそばに立ち、腕を組みながら何やらアドバイスをしているのが同じ三重支部の松尾拓。こちらは東海地区のトップルーキー。今日は「2020トップルーキーカッパ」を着用し、テキパキと動いていた。
 31歳という年齢に加えて、今回のルーキーズの中では抜群の実績を誇るだけに、ピットの中では堂々としたもの。レースも11Rで危なげないレースで堂々と押し切り無傷の3連勝。このままルーキーズの総大将として地元水面を突っ走っていく。

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 昨日に引き続きレディース優位で続いてきた団体戦。その流れを止めたのが7Rの伏見俊介。チルトを1.5に跳ねて、6コースから怒涛のまくりを決めた。

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 9Rもルーキーズの吉川貴仁が2コースからまくって1着になり白組が加点した。吉川は前半レースに引き続き、まくりで2連勝である。先頭でゴールを切りピットへ戻ってきた吉川は、このレースで3着になった廣瀬篤哉とのツーショット写真を新聞社のカメラマンに撮影されていた。地元選手の1着にマスコミも盛り上がっているのだ。
 前半レースもさることながら、後半レースもスリット前に何度も上体を起こしてアジャストしながら艇が出て行っており、エンジンの気配はかなり良さそう。3連勝の総大将・松尾拓に続く。

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 レディースで頻繁に目にしたのは長嶋万記。午前中から試運転を繰り返し、調整にあけくれていた。スタート特訓後にも、インの起こし位置から艇を起こしてイメージトレーニングをする。初日2日目とフライングが出る中、舟券がもっとも売れる最終レースの1号艇で、絶対にFは切れない。
 12Rのスタートタイミングはコンマ19。ダッシュ勢のルーキーズに速いSを決められ、ターン後には塩崎桐加に詰め寄られるも、何とか押し切って1着。貫録勝ちといったところであろう。

 本日ほどではないものの、明日もやや強めの向かい風水面になりそう。明日は本日同様の激しいレース、かつ無事故のレースを期待している。

(TEXT姫園 PHOTO黒須田)