BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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サバイバルバトルの3日目後半ピット

 津レディースVSルーキズバトルは、本日も生き残りをかけた“サバイバル”なバトルが繰り広げられていた。
 1Rでは加藤綾がスタート展示後に体調不良になりレースを欠場して帰郷。
 5Rは佐藤悠と井本昌也が1マークで転覆。さらに事故後に上田紗奈を関野文が追い抜いたということで即日帰郷。これで今節5人目の帰郷になった。 ルールだから仕方ないのだが、過去にも選手が「どっちが優先艇か」で戸惑う場面は多々あった。もう少し選手にもファンにもわかりやすいルールを個人的には望む。

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 そんな大混戦のレースを制したのは中村泰平。初日2日目と6着を2本並べたが、本人のコメントによると足は悪くなかったという。明日はかなり厳しい勝負駆けになるが、ドリーム組の意地をみせて、跳ね上がってもらいたい。

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 そして7Rではまさかの内枠3艇の集団フライングが発生。5R終了後から空気は重かったが、ピット内はさらに悲痛な雰囲気になった。フライングを切っていない選手にとっても、明日は我が身である。気持ちを引き締めたことだろう。他の選手よりも早くピットに戻ってきた、櫻井優、山川雄大、畑竜生の3選手は、競技本部へ急いで向かった。

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 7Rでフライングに散った櫻井は122期の21歳。18年5月にデビューしたのだが、デビュー節と次節で2節連続フライングを切ってしまい3ヶ月のF休み。それ以降は慎重なスタートを心掛けて走ってきた。しかし残念ながらここでF。養成所時代は、リーグ勝率6.13、終了記念競走でも優出した素質の持ち主であるだけに、今回のFを乗り越えて成長してもらいたい。

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 8Rからは2周戦に変更になる。リフトの右横からレースを観戦していると、目の前を白いカポックをまとった塩崎桐加が横切っていく。その後にも選手が続々と続く。「なぜ展示に出る選手がこんなところに?」と思っていたら、9R以降は通常の発走ピットが、スタンド側のリフト横にある予備ピット(係留所)へ変更になっていた。冬場の向かい風の強い時期は、ピットアウト時に艇が風にあおられて危険なので、変更されることがまれにあるらしい。ちなみに今年の正月レースでもあったという。

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 予備ピットから行なわれた9Rの塩崎はスタートでやや後手を踏んだが、そこから伸び返していく。しかし小野生奈の巧みな差しに屈して2着。オール2連対とはいえ、1号艇での敗戦は悔しい。

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 このレースの3着は井本昌也。こちらも2日目にコツコツとペラを叩き、試運転を繰り返し、足を上向かせていたのだが、前半の転覆でやはり少し足が落ちた。しかし明日は9Rの1回走りなので、時間的な余裕がある。またコツコツと仕上げていくことだろう。

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 去る者がいれば、新しき者もあらわれる。田邉、上田に続く3人目の追加選手、中野夢斗が津に到着。13時すぎに荒れた水面を走り前検を行なっていた。
 ちなみに中野は明日の4Rに1号艇で登場する。追加選手に1号艇が与えられるのはちょっと珍しい気がする。ただ3号艇にはシリーズリーダーの松尾拓がいるのだが……。スタートを決めて押し切り、松尾拓を破る金星をあげることができるか。


 荒天になるとキャリアを重ねたレディースの安定感に分があるが、ルーキーズの粗削りなレースが功を奏すこともある。事故は残念だったが、とにかく見応えがあったのは間違いない。 強風、安定板、2周戦、ピット変更……。昨日、今日とギリギリの水面を戦い抜いた選手たちを素直に称賛したい。

(TEXT姫園 PHOTO中尾)