準優組は朝から着々と調整中。予選トップ通過の毒島誠は朝から整備室内にあるペラ調整室にこもりっきりで、万全を期すべく調整を進めている。畠山は昨日の毒島は調整に失敗したのではないかと見立てているのだが、もしその通りだとするなら、今日は調整に力が入るはずだし、レース間には何度も試運転をする姿が見られるだろう。展示ピットにボートを移すタイムリミット間際まで調整を続ける“ギリペラ”も確定的と思われる。
同じく準優１号艇の石野貴之もプロペラ調整を進めている。いつでも凛々しい雰囲気の石野だが、装着場を移動するときの様子はいつにも増してキレがある。早くも気合が高まっていると見受けられた。
それに比べると、茅原悠紀はリラックスした表情も見せていて、１号艇組のなかでは穏やかな雰囲気。ボートはすでに係留所にあったので、いつでも試運転に飛び出せる構えではあるが、そこまでせかせかした感じではなかった。自然体で過ごす準優の朝、といったところ。
実は整備室内のペラ調整室は装着場から死角になっているのだが、視認できる２カ所の調整所＝屋外の調整所と装着場ど真ん中にある調整室には、準優組の姿が数多く見られた。たとえば前田将太は、ど真ん中調整室。今節はとにかくここで姿を見ることが多く、エンジン吊りに出る際も出迎えるべき選手が戻ってくるギリギリまでハンマーを振るい、大急ぎで調整室を飛び出したりしている。今朝も同様だ。
この調整室でよく見る選手はほかに石野、篠崎元志、下條雄太郎、瓜生正義ら。篠崎もやはりエンジン吊りギリギリになったりして、前田とともに急ぎリフトに向かう姿をよく見かけている。準優組ではないが、もちろん仁志もここで叩いていることが多く、兄弟ショットも目撃される。
屋外では、倉持莉々が熱心に叩いていた。女子唯一の準優進出で、他の７人からのエールも受けているものと思われるが、倉持自身は粛々とペラに向き合っており、準優に向けて静かに闘志を高めているといった様子だ。
整備室で姿を見たのは、磯部誠。６号艇といってももちろん諦めてなどいないわけで、むしろ勝負をかけた整備調整に出る可能性は充分。姿を確認したとき、モーターはボートに装着されていたので、機歴簿を確認して整備の方向性を探っていたか。部品を換えて臨むとすれば、それは間違いなく勝負整備だ。（ＰＨＯＴＯ／中尾茂幸 池上一摩 ＴＥＸＴ／黒須田）
