BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――暑さに負けず

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 今日も朝から暑い! 真夏の気候のなか、選手たちは実に慌ただしく動き回っている。初日の喧騒は、暑かろうが寒かろうが変わることはない。また、どのカテゴリのレースでも変わらない。SGに比べると女子戦では動き出しが早いように思えるが(朝からドリーム組もずいぶん水面に降り始めていた)、初日の風景としてはいつも通りだ。ドリーム4号艇の守屋美穂も早々に試運転をしており、いったん切り上げるとタオルで汗を拭いながらペラ調整室へと向かっている。暑いのにご苦労様です!

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 で、多摩川のピットでは、熱中症対策ということなのだろう、ボートリフト付近にミストの噴出装置が設置されているのであった。写真の、西橋奈未の頭上の靄みたいなの、わかります? これがミストですね。最近は駅前に設置されてたりするわけですが、たしかに涼し気に映る次第であります。

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 ペラ調整室には多くの選手がこもっており、規制線内から覗き込める調整室にはベテラン中堅選手の姿が多いようであった。このご時世、換気のために窓は開け放たれており、おかげでこちらからその様子がよく見えたりもするわけだが、冷房の空気も外に出てしまうわけだから、涼しさも一息って感じだろう。写真は土屋千明。かなり力強くハンマーを打ち下ろしていて、まさに叩き変えているといった雰囲気。体重の軽い女子は、男子の仕上げたモーターでは回転が上がりすぎるので、どんなに前節で噴いていたモーターでもペラを大幅に叩き変えがち、という話を毎度耳にするわけだが、それだけに初日は力のこもった金属音がピットにこだまするという次第である。

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 外回りの調整=たとえばギアケース調整の選手が多くみられるのも初日の傾向。SGでも多いですね。整備室は移動をする際にちらりと覗ける程度なので、詳しい様子はうかがえないのだが、1R発売中に寺田千恵がギアケースを手に整備室から出てきたので、間違いなく調整を行なったはずだ。あと、倉持莉々のモーターからギアケースが外れているのも見かけている。

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 1R発売中に、何やら真剣な表情で話し込んでいたのは、渡辺千草と長嶋万記だ。選手会の仕事も担っている二人だけに、そちら方面の話でしょうか? いや、その前には足合わせをしていたようなので、そちらの情報交換だったかも。この二人も汗をかきかき動いていたわけで、大ベテランになってもまるで意気衰えず、この舞台に駒を進めてきては全力投球している千草さんには感服する次第であります。

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 かなりドタバタしているように見えたのは今井美亜だ。2R1号艇という出番だったわけだが、ギリギリまでプロペラ調整を行なっていたのだ。写真は1R発売中にようやくいったん切り上げて、ラインを確認している様子。この後、係留所へ猛ダッシュ! おそらく試運転はほとんど行なえなかったはずだ。それでも2Rは逃げ切り! 調整、ひとまず間に合ったということか。

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 オープニングは渡邉優美が2コースジカまくりで快勝! レース直前、工具袋を整備室に運んでいた渡邉にレンズを向けたら、この表情! レースが近づいているのにずいぶんリラックスしているものだと感心したのであった。結果は1着だから、機力とメンタルがうまく噛み合ったということか。で、勝って戻ってきたピットでは、表情がキリリ! 大きな笑顔を浮かべることなく、頬を引き締めながら控室へと消えていったのだった。まずは幸先いい船出です!(黒須田)