BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

びわこヤンダビTOPICS 2日目

トップ足は裕平47号機!?

f:id:boatrace-g-report:20200918175914j:plain

 今日はなんとなんと、12レース中7レースの3連単が100倍~約1000倍という“万舟事変”が勃発!!! で、オープニング1Rの⑤黒野元基などなど、そのうちの4発が5コース1着という実に華々しい空中戦でもあった。「インコースがやや凹み、2~4コースの誰かしらが強引に攻め潰しに行って、ぽっかり空いた間隙を5コースが突き抜ける」というルーキー戦でよく見かける花形パターン。
 これが多発した最大の要因はおそらく昨日までとは一変した「強めのホーム向かい風」で、やや深めのイン選手が起こしから踏み遅れたり、行き足パワーの強い選手がスリットから力強く出て行ったり、向かい風ならではの物理現象が相まって5コースの選手に有利な展開が生まれたと思っている。明日も同じ風なら選手たちもしっかりアジャストするだろうから、穴党としては強い追い風~強い向かい風と日替わりのテレコで吹いて欲しいものだ(笑)。
 あれこれ黄色いカポックのド派手なレースについて書きたいのだが、今日は予選の折り返しとしてパワー評価を重視。その解説の中で、レース内容についても簡潔に触れていくとしよう。

★2日目までの独断パワー評価
吉田裕平47号機 S【出S・直S】
井上一輝29号機 A+【出S・直A】
下寺秀和40号機 A+【出S・直A】
吉川貴仁21号機 A+【出S・直A】
上田龍星38号機 A+【出S・直A】
黒野元基30号機 A+【出A・直S】
小池修平26号機 A+【出B・直SS】
関 浩哉53号機 A【回S・直B】
春園功太73号機 A【出A・直A】
仲谷颯仁15号機 A【出A・直A】
大上卓人11号機 A【出A・行A】
馬場 剛23号機 A?【出A・直A?】
金子賢志31号機 A?【出B?・直S】

f:id:boatrace-g-report:20200918180013j:plain

 2日間24レースをチェックしての総合トップ足は吉田裕平47号機だ。昨日もベタ褒めしたが、今日の7Rはまさに鬼足! 4カドのスリットほぼ同体からグングン伸びて絞めまくったものの、カド受けの川原祐明が舳先ひとつで抵抗した分だけ勢いが半減してバックは2番手に。イン高倉和士が押しきったかに見えたものだが、2マークを外から外へ全速でぶん回した裕平が一気に高倉を捕えきっていた。昨日も今日も全部の足がゴキゲンで、非の打ちどころのないSランク=抜群パワーと見て間違いないだろう。明日の裕平は12R2号艇から、今日まで無傷の3連勝の関浩哉(4号艇。関は8R2号艇の2回走)を迎え撃つ。関の8Rの結果も踏まえて、V戦線の行方を占う重要な直接対決になるだろう。

f:id:boatrace-g-report:20200918180041j:plain

 そのトップパワー吉田と僅差の機力を誇るのが、A+ランクに指名した6選手だ。井上一輝、吉川貴仁、下寺秀和の3人は今日の3Rの好枠で激突。スロー3艇による逃げて差して握っての攻防は迫力満点で、インコースの利を生かした井上がギリギリ逃げきった。ちょっと気になったのは吉川の実戦足で、道中で下寺に競り負けたのみならず、4番手の仲谷にも追い抜かれての4着フィニッシュ。昨日は「裕平と双璧」と見ていただけに案外な結果ではあったが、今日は明らかに回転が合っていなかった印象だ。しっかり合わせきれば、再び裕平と甲乙つけがたい超抜パワーになるだろう。

f:id:boatrace-g-report:20200918180109j:plain

 昨日、安定感溢れる足色で連勝を飾った上田龍星は、今日の11Rも3コースから伸びなりまくりきって破竹の3連勝!!! このレースに関しては④藤山翔大の前付け~1・2コースの起こしが90mという展開の利が大きかったが、上位級のパワーがあればこその圧勝とも見てとれた。明日の龍星は5R6号艇の一発勝負。もちろん、枠番的に予選道中の最大の難関であり、この結果はV戦線にも少なからぬ影響を与えるだろう。
 今日は5コース1着&インコース5着で「泣き笑いのイーブンパー」となった黒野元基の足もゴキゲンの一語。で、とにかく目が離せないのが小池修平のストレート足だ。今日の9Rでは6秒58!!という2日間で断トツの展示タイムをマーク。ただ、かなりのあと伸びなのかスロー2コースからスリット前後はさほど伸びず、しかも出足・回り足が頼りない感じで今日の2戦は5・4着と自慢の伸び足を生かしきれなかった。さらに明日は6R1号艇の1走だけなので、思いきって手前に寄せる可能性もありそうだ。スタート展示の気配と展示タイムに注目しつつ、慎重に舟券の取捨を決めたい枠番でもあるな。

f:id:boatrace-g-report:20200918180150j:plain

 一方、Aランクに指名した関浩哉は展示タイムがまったく出ていない。本人は3連勝後に「展示タイムがかなり遅いのは気になるけど、実戦ではそんなに変わらない」とポジティブに捉えているが、現状のパワーは間違いなく直線よりも出足系統(特に回り足)に特化していると見ていいだろう。先にも書いた明日の12Rの②裕平vs④関は、「裕平のジカまくりに乗ってのマーク差し」というスリリングな展開も想定しておきたい。

f:id:boatrace-g-report:20200918180229j:plain

 さてさて、評価リストの最後に記した馬場剛&金子賢志は、期待を裏切る成績が続いている。馬場に関しては「スリットから覗いて自力で攻めたものの不発」というパターンが多いのだが、とにかくターンマークの随所で滑って流れるシーンが目についた。それは金子も同じで、おそらく回転がまったく合っていないのだろう。明日の金子は1・2号艇、馬場は6号艇と対照的な境遇で1日早い勝負駆けに向かうのだが、できる限り万全な状態でそれぞれの力(パワー)を出しきってほしい。もちろん、6枠の馬場は舟券的にも美味しい存在になるのだから。

★整備で気配アップ
野中一平62号機 直D→B
木下翔太22号機 直D→B
大山千広12号機 行B→B+

f:id:boatrace-g-report:20200918180254j:plain

 前検で「起こしからずり下がっている。直線はワースト級かも?」と危惧していた野中一平と木下翔太が、2日目にして最悪の危機を脱した。今日の野中はキャリアボデー交換などで課題の行き足のみならず、全体的な底上げがあって嬉しい1勝をマーク。やっと中堅の仲間入り、というレベルではあるが、この男には「ソコソコの足さえくれば、自慢のスタート力で不足分を補う」という特技がある。4・4・1着でボーダー付近までこぎ着けた「スリットモンスター」の明日は、10R4号艇の一発勝負! 言うまでもないが、4カドからのゼロ台全速を舟券の予想ファクターに汲み入れておきたい。

★中間整備の穴パワー
松井洪弥67号機
塩崎桐加39号機

f:id:boatrace-g-report:20200918180344j:plain

 今日の2Rでは⑤松山将吾~④松井洪弥~⑥大上卓人の中間整備トリオが「外コースから上位独占!」という離れ業をやらかした。馬場の3コースまくりに連動してのズボズボ差しという展開の利もあったが、「展開の利さえあればアウトコースからでも勝ち負けできるパワー」とも言えるわけで、明日からも特に2連対率10%台のサプライズ参戦組はしっかりと気配を把握しておきたい。

f:id:boatrace-g-report:20200918180407j:plain

 そうそう、今日の12Rの塩崎桐加は2コースから強引に攻めすぎてエンストを喫してしまったが、ジカまくりをしたくなるほど噴いていたのも事実。準優に乗る乗らないはともかくとして、塩崎=まくり屋という気性ともども39号機のストレート足は常に警戒すべきだろう。(photos/黒須田守、text/畠山)