BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――戦闘モード

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 さあ、トライアル2nd。峰竜太が昨日よりもグッと緊張感のある顔をしており、レースモードに入ったのだなと実感する。このところの峰は、早い時間帯からピリッとした空気を醸し出すことが予選賞典に関わらず多くなっており、レースがなかった昨日一昨日を思えば、これが今の峰竜太の平常なのだと改めて納得する。

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 篠崎仁志は逆にリラックスモードなのだろうか。カメラを向けたら、目線を向けてキリリッ! しかも連射している間ずっと、カメラから視線を離さなかった。何年か前にもこんなことがありました。カメラを下ろすと、悪戯っ子のようにニッコリ。こちらも笑顔を返すしかない。とはいえ、そのニッコリがまた力強さをたたえたものでもあった。タイトルを獲って、いろんな意味で強くなったのだと思う。

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 深谷知博も、初のグランプリ、そしてその初のレースを前にしながら、実に落ち着いた雰囲気を醸し出している。本来ならもちろんポジティブに捉えるべきなのだが、グランプリという舞台の特殊さというのか、初出場なのにリラックスできている選手が意外に苦戦する、というパターンも何度か見ているんだよなあ、とこれまでのピットを思い出したりする。まあ、そのへんが深谷の場合どう出るかは走ってみないとわからないわけで、その明るい表情はひとまず好感ではある。

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 1stから勝ち上がった選手たちも、昨日までと同様に早くから調整作業に勤しんでいる。連勝で2ndに進出した平本真之も、そのリズムの良さに気を緩めることなく、さらなるステップアップのために動いている。とはいえ、やはり連勝で気分はいいわけで、笑顔も多く見られていた。

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 やや機力が厳しいように思える新田雄史は、水面に出て感触を確かめつつの調整となっている。こちらは時に考え込むような様子も見られ、調整の方向性、あるいは大きな整備も含めて、思索しているのであろう。2nd進出はひとつの目標ではあるが、ゴールではない。ここからが戦いの本番なのだ。

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 1st組では機力上位と見えた白井英治の動きも早かった。プロペラ室にその姿があり、まだ慌ただしい動きというわけではないが、早めの調整着手と見える。

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 そして西山貴浩のボートには今日もモーターが乗っていない。昨日はピストンリングの交換があったが、今日は果たして? 昨日の快勝後ははしゃいでもいた西山だが、しっかりと勝負師モードに入っている3日目である。

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 1st敗退でシリーズ合流した6人は、内心はいろいろ複雑ではあろうが、見た目にはモチベーションを下げた様子はなく、昨日までと同様に調整に励んでいる。もちろん今日は早い時間のレースもあるわけで、のんびりしていられるはずもないのだが、6R登場の井口佳典にしても試運転を繰り返すなど、シリーズで意地を見せるべく奮闘している。

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 1Rには前本泰和が登場。6号艇ながら前付けで4コースを奪い、2着に入った。出迎えた寺田祥と談笑していたレース後、もしかしたら今日対戦があったかもしれないと考えると、こちらが複雑な思いにもなるわけだが、2着とはいえ上々の結果が出たことは前本の目元を緩ませているのだった。

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 迎え撃つかたちのシリーズ組も、昨日までとは変わらずにシリーズで目立つべく動いている。坂口周は本日誕生日! おめでとう! もちろんピットに入ればそんなことは関係ない。気合の入った表情で水面に出て行ったのが印象的だった。今日の結果次第で明日の勝負駆けが楽になる。3月クラシックに続く優出を果たすべく、まずは5Rに全力投球だ。(黒須田)