今日は1Rから団体戦。その1Rは、鈴谷一平がまくり切って勝ったものの、2~4着を女子が占めて、ポイントは紅組がゲットした。そのせいかどうか、女子のムードが実に明るく、各所で弾んだ声が響いていた。最後、中村泰平を交わして4着に浮上した落合直子もゴキゲンそうにレースを振り返り、笑顔も見える。それを囲む仲間たちも目元を細めて落合に話しかけていた。
2着の勝浦真帆も先輩たちに声をかけられて微笑が浮かんだ。勝浦は昨日、キャブレターを交換。さらにリードバルブやギアケースなど外回りを熱心に整備する姿があった。それが実った部分があるだろうか。今節は、すでに男女2人ずつが途中帰郷となっているが(2日目に深尾巴恵、3日目に中尾智博、4日目に佐々木裕美と石田貴洋)、これまでの大会と違って追加選手はなし。したがって団体戦を一日に2回走る選手が出るわけだが、今日は勝浦にその役割が回っている。後半も女子にポイントをもたらすべく全力投球だ。
2Rは松山裕基が5コースからまくり差して大穴をあけた。これでルーキーズが朝から2連勝! しかし、こちらもまた団体ポイントは2着3着5着と入った紅組に。団体戦としては白組が2連敗なのであった。だからなのか、松山を出迎える面々もまるで浮かれた様子がない。5コースから突き抜けての7マンシュウ演出は、本来なら殊勲の一撃。しかし団体戦においては必ずしもそうはならないのだから、これがこの大会の醍醐味のひとつではある。それでも、大仕事をやってのけた松山には大きな拍手を送りたい。ナイスまくり差し!
団体ポイントを獲得した紅組は、カポック脱ぎ場で楽しそうにレースを振り返っていた。まあ、寺田千恵はそうでなくともムードメーカー的な存在でいることが多いわけだが、それでも自身2着をきっちり獲り切ったことも含め、気分は良さそうだった。内容がすべて聞こえてきたわけではないけど「おばちゃんが……」という言葉が聞こえてきたり(笑)。テラッチ、あなたはまだまだ若いっす!
ただ、5着に敗れた新田有理は、ピットにあがってきた直後にはうつむき加減で、レースを反芻するかのように考え込む場面があった。攻めたものの結果は大敗。しかも道中は6番手を走っており、そのままならポイントは白組に入っていた。その意味では5着浮上に意味があったわけだが、それを喜ぶ気分にはなれなかったのだろう。その意気や良し、と思います。
団体戦で男女は敵同士、とはいえ、陸の上でも睨み合っているわけではない。今日は井上忠政に原田佑実がペラの話を質問しているシーンを見かけた。先輩だからって、敵の紅組にそんなの教えられないっすよ! なんてことはまったくなく、井上は手のひらをプロペラの翼面に見立てながら、丁寧に応えているのだった。こうした会話がお互いのレベルを上げていくのだと思えば、敵に塩を送るとかではなく、まさに切磋琢磨のシーンであろう。
1R終了後に、小林孝彰が2Rの選手たちがレースを終えて戻ってきたときに備えて、モーター架台とアカクミ(水を掻き出すためのスポンジ)、後半の艇旗艇番などを用意していた。もちろん白組選手のものだけでなく、紅組選手の分も、つまり全員分を、だ。今節登番最年少の小林は、日々新兵仕事に勤しんでいる。それはもちろん男女の隔てなく、だ。水の上では先輩も後輩もないが、陸の上では後輩が精力的に動くのがボートレーサーに受け継がれてきた文化のようなもの。そこに団体戦うんぬんなどないのが当然なのである。
さて、今朝のピットには今村豊さんが表敬訪問。YouTubeの東スポ@チャンネルさんで鵜飼菜穂子さんとレース予想を配信するのだ。鵜飼さんは同じYouTubeの動画撮影で一節通してピットでお顔を拝見しているわけだが、今日は今村&鵜飼のレジェンド同期コンビで登場。いやー、テンション上がるわ! そこに、さらに山川美由紀が合流! このスリーショットはヤバいっしょ! 現役時代にはおおいにお世話になったお二人、挨拶するべきなのだが、ただのボートファンになっちゃって見とれているうちに、姿が消えていたのでありました。あー、残念。
で、宮之原輝紀がニコニコとピットに登場。挙動不審になっていたので声をかけたら、「緊張します!」。今村さんに挨拶したいのだが、緊張してカチカチになっていたのだ。それでも今村さんに駆け寄った宮之原。お父様が元平和島の整備士で、今村さんとは面識があるだけに、その話もしていた模様。はるかに後輩の宮之原にも丁寧に頭を下げる今村さんに、宮之原は恐縮してさらにペコペコペコとお辞儀しているのだった。ミスターにもらったパワーで今日もがんばれ!(PHOTO/池上一摩 黒須田 TEXT/黒須田)