BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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福岡クラシックTOPICS 2日目

チーム福岡の危機

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 壊滅的打撃、と言えば言い過ぎになるだろうか。今節、7人もの大所帯で福岡に乗り込んだ地元勢が、ありえないほどの苦戦を強いられている。
 まず、2日目にして予選突破へ限りなく赤信号に近い黄信号が点ってしまったのが、まさかまさかの総大将・瓜生正義だ。昨日の当欄でもそのピンチぶりに少し触れたが、今日の11Rも6号艇の遠さを克服できずに6着大敗で予選3戦を終えた。昨日からの成績は、目を覆うばかりの5・6・6着……仮に、瓜生が明日からのラスト3戦をすべて勝っても34点=5・67止まり。現実的には絶望的なポジションになってしまった、と言わざるをえない。うーーーん、どうした、瓜生!?

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 ここ半年ほどの勢いが半端ない西山貴浩も、悪戦苦闘の只中にいる。昨日の初戦こそ枠番どおりの3着と無難なスタートを切ったが、そこから崩れて5着・6着の大敗を喫した。今日は9Rの6号艇から気合の前付けで4コースまで潜り込んだものの、見せ場すら作れず。最近の十八番とも言うべき道中のしぶとい追い上げがまったく利かず、上野真之介との5着争いにも力なく敗れ去った。明日からは1・2・5号艇の好枠が残っている身の上、大逆転の予選突破は十分にありえるが、とにもかくにも実戦足の上積みが急務。現状の足のままでは、1号艇のインコースでも勝ちきれるかどうか。タイムリミットは明日の7R(①の1回走)だ。

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 チーム福岡の斬り込み隊長的な活躍が期待された岡崎恭裕も、準優進出へ黄信号が点ってしまった。昨日は2号艇4着、5号艇3着と煮え切らないなりに着をまとめたものの、今日の5R3号艇が大誤算。枠なりの3コースから果敢にまくったところ、同じく2コースからジカまくりを放った西村拓也に弾き飛ばされる形で大差のシンガリに。そのまま追い上げが利かず、絶対に避けたかった6着でゴールを通過した。岡崎39号機は「三島エン魔帳」の補填10基に入っており、展示タイムも実戦もさほど悪いようには見えないのだが……「今日は展開が最悪だった」と自分に言い聞かせ、気持ちを新たに明日の8R1号艇の一発勝負に向かってもらいたい。

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 こうして地元のSGレーサーが喘ぐ中、昨日はイン逃げながら1着発進を切った松田大志郎に地元ファンの視線が注がれたはずだが……今日の3Rは6号艇6コースからセオリー通りの最内差しで4番手に進出。「6号艇で4着なら、まあ良しとすべきか」と思えた3周1マーク、突進気味に切り返した吉村正明との衝突で2艇揃って転覆(吉村は妨害失格、松田は責任外)。
 さらには接触時の破損でボート交換まで強いられた大志郎ではあったが、後半10Rは4コースから峰竜太との3着争いに競り勝つ形で6ポイントをGET! スリット付近の行き足や引き波を越える力強さはしっかりしており、転覆やボート変更の影響はほとんどないまま、明日からの本格的に勝負駆けに臨むことができそうだ。2日目を終えての予選成績は5・33点=暫定24位。明日の3R2号艇で、準優圏内への返り咲きを狙う大志郎に注目!

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 この大志郎と同県同期で登録番号が1個違い(誕生日では2カ月違い)の岡村慶太も、今日は目覚ましい活躍を見せた。4Rの3コースから強烈なツケマイでインコース丸野一樹を圧倒。2マークは丸野を行かせてからの機敏な差し抜けで、SG2戦目にして嬉しい水神祭を成し遂げた。昨日の6着を挽回する10点獲得で、暫定23位までランクアップした岡村。明日は4R1号艇と11R4号艇で、準優圏内への突入を目指す。

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 さてさて、福岡セブンの最若手、仲谷颯仁も銘柄72号機の素性を生かせず5・5着と苦戦する中、地元でただひとりだけ準優圏内で奮闘しているのが篠崎仁志だ。準優圏内どころか、予選トップの寺田祥に肉薄する暫定2位で予選を折り返し。両者の直接対決だった今日の12Rは、4コース寺田のまくり差しを完封しての鮮やかな逃げきり勝ち。トータルパワーとしては寺田に分がありそうだが、ターン出口でスッと突き放した足色を見る限り、こと出足系統は一歩もヒケを獲らない上位パワーと見ていいだろう。

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 すでに1号艇を消化した仁志の明日は、4R5号艇&9R4号艇の正念場。今節の福岡水面はインコースの活躍が目立つだけに、しっかりとポイントを加算して予選トップや準優1号艇の足掛かりを作るべき重要な1日となるだろう。もちろん地元のファンの視線も、ほぼほぼ全集中でこの若きエースに注がれるはずだ。
 地元7人衆の2日目までの成績をまとめておこう。
★2位・篠崎仁志  9・00
★23位・岡村慶太  5・50
★24位・松田大志郎 5・33
★43位・岡崎恭裕  3・67
★45位・西山貴浩  3・00
★47位・仲谷颯仁  2・00
★49位・瓜生正義  1・33
 V候補の仁志はもちろん、他の面々もたとえ予選敗退が決まったとしても、地元の意地で最終日まで奮闘することは間違いなし。この福岡セブンがどこかでドカーーン大穴を演出するシーンも、常に念頭に置いておきたい。(photos/シギー中尾、text/畠山)