今日の団体戦(5R~12R)は、白組が不利な外枠ブロックが多かったにも関わらず、3度の「ブレーク」(外枠での勝利)に成功して6勝2敗と紅組を圧倒。昨日の3勝5敗を一気に逆転してしまった。
団体戦ポイント
紅組7-9白組
立役者は12Rでバック最後方から3着まで追い上げた畑田汰一など何人か存在するが、MVPをひとりだけ特定するなら、やはりこの男だろう。
今日のMVP=吉川貴仁(1R1号艇1着・9R4号艇1着)
いやぁ、まさに『ミスター団体戦』に相応しい大活躍! まあ、1Rは団体戦とは無縁なのだが、インから1マークをくるり回ったら、後続を軽く3艇身もぶっちぎる凄まじい勝ちっぷり。1分46秒9という圧倒的な走破タイム(2位の大山千広が1分48秒6、同期・宮之原輝紀が1分48秒8)も含め、「2日目にして完全に仕上がった」と断言していい鬼足だった。
で、本丸の団体戦9Rは、4カドのスリットほぼ同体から1艇だけが異次元の伸び足で突き抜け、まんま紅組の3艇をひとまくりで引き波に沈めた。そのエグイ伸び足は「同県の高田ひかる譲り?」と思えるほどの破壊力だったし、まくってからの舟の返りも反応抜群。前半の「完全に仕上がった」のみならず、半端ないパンチ力まで見せつけたわけだ。この大会に参戦するだに、凄まじいパワーアップ&猛禽類のように過激なまくり屋に変貌する貴仁クン。その理由はさっぱり分からんが、やはり今節も主役級のひとりになることは間違いなさそうだ。
さて、昨日に続いて「団体戦の貢献度ポイント」を列挙しておこう。
★団体戦(5~12R)のチーム貢献度ポイント
【レディース】
初日 2日目 合計 備考
高橋淳美 1点 2点 3点
寺田千恵 5点 0点 5点
道上千夏 -1点 -2点 -3点
水口由紀 0点 -3点 -3点
岩崎芳美 1点 0点 1点
海野ゆかり-1点 -1点 -2点 2日目4R転覆
向井美鈴 -5点 1点 -4点 初日6Rフライング
田口節子 1点 3点 4点 全3走
長嶋万記 4点 1点 5点 全3走
三浦永理 7点 1点 8点
大橋栄里佳 1点 1点 2点
落合直子 0点 -2点 -2点
藤崎小百合 1点 -1点 0点
原加央理 0点 -2点 -2点
今井美亜 1点 -1点 0点 全3走
深尾巴恵 1点 -5点 -4点 2日目5R不良航法
村上奈穂 3点 1点 4点
前田紗希 -2点 -2点 -4点 2日目4R優先艇保護違反
新田有理 1点 -3点 -2点
大山千広 -1点 0点 -1点
小芦るり華 0点 -1点 -1点
實森美祐 1点 0点 1点
【ルーキーズ】
初日 2日目 合計
山下流心 0点 4点 4点
鈴谷一平 1点 4点 5点
上田龍星 0点 2点 2点
中村泰平 1点 4点 5点
片岡大地 1点 2点 3点
吉川貴仁 4点 3点 7点
栗城 匠 2点 -1点 1点
宮之原輝紀 4点 3点 7点 全3走
上村宏太 -2点 2点 0点
井上忠政 0点 2点 2点
田川大貴 -3点 -1点 -4点
宗行治哉 3点 0点 3点
河野主樹 1点 0点 1点
宇留田翔平 2点 1点 3点
高木圭大 -2点 2点 0点
梶山涼斗 -1点 4点 3点
高橋竜矢 -1点 1点 0点
宮田龍馬 2点 1点 3点
荒牧凪沙 0点 2点 2点
畑田汰一 1点 5点 6点 全3走
前田 滉 -3点 0点 -3点
滝沢 崚 2点 -2点 0点
定松勇樹 -1点 4点 3点
ポイント上位選手だけをランキングで示すと、こうなる。
【レディース】1位・三浦永理、2位・寺田千恵、長嶋万記、4位・田口節子、村上奈穂
【ルーキーズ】1位・吉川貴仁、宮之原輝紀、3位・畑田汰一、4位・鈴谷一平、中村泰平
トップは両軍とも変わらず、全体の1位も昨日同様に三浦永理。で、備考欄を見ると、深尾巴恵(↑写真)の不良航法などなど、今節はなぜか女子ばかりが事故などのアクシデントを引き起こしている(前田紗希の優先艇保護違反はある種、もらい事故のようにも見えたのだが……)。逆に、いつもはやんちゃなレースで自滅ポイントを量産することが多いルーキー組が、今のところお利口さんな無事故完走ロードを疾駆中。この流れが明日からも続くのか、どこかで逆転現象が起こるのか、このあたりも団体戦の最終成績につながっていくだろう。
続いて、2日目を終えての私なりのパワー鑑定をば。
独断のパワー評価
★★★吉川貴仁 S【出S・直S】
★★★寺田千恵 S【出SS・直A】
★★三浦永理 A+【出S・直A】
★★片岡大地 A+【出S・直A】
★★荒牧凪沙 A+【出S・直A】
★★宮之原輝紀 A+【出S・直A】
★鈴谷一平 A【出A・行A】
★河野主樹 A【出A・行A】
★田口節子 A【出A・直A】
★大橋栄里佳 A【出B・直S】
★高橋淳美 A【出A・直A】
この中で、特に穴っぽい選手としてフューチャーしたいのが、122期の荒牧凪沙(福岡)だ。2018年5月にデビューして、初勝利は翌2019年10月。苦節とも言うべき1年5カ月だったわけだが、黙ってゴンロクを並べていたわけではない。月刊『BOATBoy』で①アタマの万舟=「ピンマン」の研究をしていた私が、この選手に気づいたのは水神祭を飾る3カ月ほど前だった。超人気薄で2・3着に飛び込み、あっと驚く特大のピンマンを連発したからだ。
★2019年7月6日=2着/①-⑥-②49170円
★2019年7月18日=3着/①-⑤-⑥11660円
★2019年8月27日=2着/①-⑥-⑤47060円
2カ月にも満たない間に、500倍近いピンマンが2発! 当時の私は「よくよく大穴を演出する“女子レーサー”がいるもんだ」などと感心していた。すぐに男子レーサーだと気づいたけれど(私)。
で、こういう活躍を見せはじめたら、もちろん初勝利は遠からじ。10月7日に嬉しい嬉しい水神祭を遂げたのだが、その3連単配当も規格外と言うべき18万6470円!!
「やっぱこの子は、大穴の神様に魅入られてる」
こんな言葉をつぶやいたのを、今でもうっすら覚えている。あれから1年半、凪沙クンの勝率はいまだ4点にも到達していないが、今節は全国に名を売るチャンス。圧倒的な2連率を誇る49号機(56%)とともに、今日の8Rも3号艇で2着を獲りきった。格上の宗行治哉の追撃をシャットアウトした走りっぷりは、「モーターだけの力じゃないかも」と思わせるほどの力強さを感じさせた。
明日の凪沙クンは1R2号艇と団体戦12R5号艇の2回走。最終レースに抜擢されたのには驚いたが、もちろん人気の盲点になることは間違いない。たとえば、6号艇の宮之原輝紀の攻めを封じて舟券に絡んだりしたら、どんだけの配当になることか。ナギサ=「ピンマンのシ徒」的存在だからして、①テラッチとの①-⑤-全だけはしっかり買っておきたい(笑)。
(photos/チャーリー池上、text/畠山)