BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――名人大暴れ

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 ベテラン快走! 1R、6号艇の深川真二はもちろん動いて2コースへ。そして巧みに捌いて2着と連に絡んでみせた。昨日の逃げ切りにつづき、快調である。といっても、深川にしてみれば仕事をこなしたということになるのだろう。レース後の淡々とした様子は、かえって仕事人としての矜持を感じさせるのだった。今日は10Rにも登場する深川、その後に粛々と準備を始めるあたりにも貫禄が漂う。

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 2Rでは5号艇の西島義則がもちろん動いて2コースに入り、道中激戦を制して1着! これで連勝である。年齢を言ってもこの人にはまったく意味はないかも、だけど、59歳の最年長がSG連勝発進は脱帽と言うしかない。西島にとってはいつも通りのレースをしただけでも、その闘志がSGの水面で炸裂したのはやはり爽快である。白井英治、寺田祥らに出迎えられた西島はなんともゴキゲンで、笑顔を交えて中国地区の後輩たちとレースを振り返っていた。

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 3Rは、1カ月前に名人となったばかりの原田幸哉が6号艇で1着! 田頭実が動いたりピット離れでデコボコがあったりと激しい進入争いのなか、5カドが獲れたのが大きかったわけだが、見事に展開を突いたまくり差しは鋭かった。名人戴冠のあの夜のまくり差しを思い出してしまいましたな。こちらはリフトに乗っているときからニコニコ顔で、実にゴキゲン。ツイている部分もあったということも、自然と笑みを浮かべさせる一因だったかも。

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 そう、2~3Rは名人が連勝(西島は10年に制覇)。もうひとりの名人(16年制覇)の田頭実は、まさかの踏み遅れで6着(スタートタイミングはコンマ34!)。まさに弘法も筆の誤りといったところで、レース後は苦笑いしきりなのであった。それでも、田頭の前付けがあったから展開が有機的に動いたわけで、ここもベテランがレースを作ったというわけである。

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 今節、100期以降の選手が17人、女子が8人。ファン投票ではこうした結果になりがちではある(女子は制限がなければもっと多く出場しているはず)。一方で、西島、田頭、深川といった面々がメンバーに名を連ねる。ボートファンの皆様、わかってらっしゃる!とワタシなどは思うわけであります。ひとまず2日目序盤は匠世代が大暴れ(1Rを勝ったのは羽野直也だったりするわけですが)。後半戦は若手たちのハツラツ走りに期待!(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田)