BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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若松オールスターTOPICS 3日目

まくって差して「モロ筋ワンツー」続出!!

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 いやぁ荒れたわ荒れたわ!! 
 今日も強めのホーム向かい風が吹いた若松水面(4レースから安定板装着)は、人気のインコースがボッコボコに叩かれる大波乱の1日となった。6コースの⑥永井彪也がブイ差しから突き抜けて1724倍を演出した7Rを筆頭に、2~6号艇が8勝の大暴れ。1Rからの1着枠番を羅列すると【②②①④③②⑥⑤①②①①】と、8Rまでにすべての枠番が先頭を走り抜けた。SGではなかなかに珍しい現象だ。
 この要因を特定するのは難しいが、もちろんひとつは強めのホーム向かい風。今日は昨日より突風や風速の強弱が少なかったため、センター勢がしっかりスタート勘を掴んで全速で突っ込むレースが目立った。逆にインコースは、起こしから立ち遅れる選手がやたらと目立ったのだが、それが風のせいだったかどうかはわからない。

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 で、今日の全レースを思い起こして、とりわけ目についたのは「まくって差して」の昔ながらのモロ筋ワンツー決着だった。
 まずはオープニングの1R、⑥田頭実の前付けを招き入れた②田村隆信が助走たっぷりの3コースからコンマ11=トップスタートを決めて軽々とハコまくり。外隣から同タイミングで発進した③小野生奈も機敏に連動し、あっという間に③=②隊形が完成した。バックでは生奈が先頭に立ったが、2マークで田村が強烈なツケマイを決めて逆転。3連単は79倍と下落し、万舟には届かなかった。

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 続く2Rは1日早い勝負駆けだった①平高奈菜がスリット全速を意識しすぎたか、コンマ25の立ち遅れ。コンマ10の②濱野谷憲吾がイン逃げのようなジカまくりを決め、外に貼りついた③上田龍星も難なく連動して早々に②-③態勢ができあがった。大きな注目を浴び続けた平高15号機は5着に敗れ、事実上の終戦に……3連単②③⑤が3790円と激安だったあたり、ファンの間でも「平高15号離れ」が進んだということか。

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 モロ筋決着で万舟となったのが4Rだ。初日からスリット足が強力な③石野貴之が伸びなりまくり、影のようにぴったり連動した④守屋美穂が鋭いマーク差しを突き刺して④-③決着。守屋は昨日までの3戦がオール6コース。この若松では、昨年のBBCトーナメントも含めると6連続6コースだったから、今日の4カドはさぞや1マークが近く見えたことだろう(笑)。「伸びる石野まくり←守屋マーク差し」という典型的な筋決着ながら、守屋アタマで3連単④③⑤は156倍まで跳ね上がった。

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 後半に突入し、8Rは4カドの穴男・森高一真がいきなり絞めまくりを強行。この男には、いつだってコレがある。1マークまでさほど伸びないながらも強気で攻めたから、外隣の⑤白井英治が(おそらく)にんまり笑ってマーク差し一撃。1マークでは(おそらく)「一真、ありがと~!」と叫びながら突き抜けたことだろう。典型的なダッシュセットで3連単⑤④⑥は13700円。ちなみに、白井は12Rもインからあっさり逃げきり、あれよあれよの暫定トップに躍り出ている(後述)。もしもこのまま予選トップ~逃げ逃げVとなったら、今日の「森高まくり・ごっつあん差し抜け」が最大のターニングポイントだと思うのだが、どうだろうか。

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 昨日も【徳増秀樹=外選手】の隣接コース決着で大穴を連発した若松水面。黒須田情報によれば「この季節は昨日今日のような強めのホーム向かい風が通り相場」とのことで、明日以降も似たような水面環境になる可能性はそれなりに高そうだ。ならば、いち早くセンターから突出しそうな“機関車”を見出し、それに連結して美味しい展開を貪りそうなごっつあん選手で勝負する、という舟券作戦は今後も有効ではなかろうか。

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 さてさて、昨日まで暫定トップの徳増が11Rで5着に敗れた瞬間、今節の予選トップ争いは予断を許さぬ混戦モードに突入した。得点ランキングは既報の「勝負駆け情報」でお伝えした通り。今日の連勝で白井英治が頭ひとつ抜け出し、そこから下は峰竜太、徳増など5人が僅差でひしめき合っている。
 そんな中、「えっ?」と驚いたのが暫定4位の西山貴浩だ。前検では間違いなくワースト級だったし、本人もダメダメダメ泣き続けていたのに、昨日からの2連勝で俄然息を吹き返した。で、ここまで盛り返したからには、西山本人のみならず若松の優秀な整備スタッフも全精力を注いで、さらなる機力アップに邁進することだろう。明日は【4R5号艇&8R3号艇】という険しい勝負駆けに向かう西山。ピンピンなら予選トップもあり、ゴンロクなら予選落ちもあるという状況下で、どんなパフォーマンスを展開するのか。水上での真打の活躍に期待したい。

女子軍団が次々と……

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 オールスターの風物詩として初日からフューチャーしてきた女子8人衆だが、3日目にして赤信号&黄信号を点す選手が続出してしまった。先に書いたとおり、パワー的にもっとも期待された平高奈菜15号機が暫定43位で事実上の赤信号。その下の44位も、機力的に上位進出が期待された松本晶恵38号機。明日2走を残している松本だが、①①着でも34点ではほぼ赤信号とお伝えしていいだろう。
 さらには暫定34位の平山智加も残り1走では6点に届かず、緒戦から6着を並べた鎌倉涼、緒戦に減点15点をもらった守屋美穂ともどもV戦線から脱落してしまった。実質的に予選突破の可能性を残したのは、3人のみ。その勝負駆け状況を改めてお伝えしておこう。

★暫定13位・大山千広(6・40)=7R6号艇で④着条件
★暫定26位・小野生奈(5・40)=4R2号艇で①着条件
★暫定35位・竹井奈美(4・50)=2R6号艇&7R2号艇で①②着条件

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 女子でただひとり準優圏内に残っている大山にしても、6号艇での4着ノルマはなかなかに高いハードルだ。小野生奈のメイチ1着勝負、竹井の①②着も然り。もはや「女子のSG初制覇がありえるかも??」という当欄のテーマからかなり隔絶した感もあるのだが、とりあえずひとりだけでも第一関門である予選突破を達成してもらいたい。できることなら、点数にやや余裕がある大山千広には準優の好枠で……。(photos/シギー中尾、text/畠山)