BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――重たい

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 児島独特の重たさ、と毒島誠が言うのである。児島の前検日にはいつも感じるという、重たさ。毒島は「足どうこうより」その重たさが気になると言うし、徳増秀樹は「どこがいいとか悪いとか、もない。何とも言えない」と歯切れが悪い。どうしてそうなるのか、僕などにはチンプンカンプンなわけだが、レース場によって「前検日は回転が上がらない」とか、「スタートが届かない(早すぎる)」など、特徴があるようですね。児島は、重たい。

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 峰竜太など、評判機のひとつである33号機を引いて、水面に出る前はなかなかゴキゲンだったのである。これだけ評価の高いモーターを引くのは「何年振り」と言い、だからこそ「これで浮かれるのがいちばん悪い」と自分に言い聞かせていたのだ。しかしドリームの会見にあらわれた峰は、いまひとつテンションが上がらない。「回転が合ってない」し、「スタート届かない」し、「伸びは悪くない雰囲気があるけど、その前に終わってしまう」と嘆くのだ。まさに「回転が合っていない」がすべてであり、すなわち「重たい」のであろう。

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 松井繁も会見で、「起こしが若干鈍い」と言っていた。そして「たぶんみんな鈍い」とも。ようするに、今日はみんな重たいし回転が合わないし起こしが鈍いということだ。これが児島の前検特有ということだろう。実際、ドリーム6人衆はすべてその類いのコメントを出している。ここには全52選手のコメントについては記すことはできないが、明日のスポーツ紙などに掲載されるコメントにそれ以外の内容を語っているものがあったら、ぜひその選手を注目してみてください。
 で、松井はそう言いながらも「試運転ではまあまあの雰囲気だった」とポジティブ寄りなのであった。また、プロペラは自分の形とまるで違うが、悪くないのでどうしようか考えている、とも。ここ、けっこう大事なんじゃないかなあと思う。自分の形にこだわるのではない。いいか悪いかにこだわるのであって、違う形でも乗ってみようという腹の据え方が王者にはあるということだ。もちろん、さらに乗り込んでダメだと思うなら、叩くことになるのだろう。これが王者の強さの一端なんだろうな、と感じた次第だ。

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 さて、整備室を覗き込んだら、石野貴之が本体を割っているではないか! 三島敬一郎がA評価をくだし、どうやら畠山の見立ても悪くなかったらしい石野が、前検から本体整備に取り掛かっているのだ。組み直しだったり、点検だったりという可能性はないとは言えないが、前検から割るというのはやはり異変を想像せざるを得ない。ピストンを外しているのを見かけたし……。明日の直前情報をもちろんチェックしてもらうとして、その気配などにも気を配りたい。

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 あと、興津藍も本体を割っていた。たしかオールスターでも早い段階で割っていたと記憶している。市橋卓士が心配そうに寄り添う場面もあって、今日の感触がいまひとつだった可能性も高いだろう。石野にしろ、興津にしろ、想定をはるかに超える重たさだったのかな?
 さてさて、今日は「Tシャツの背中」コレクションをざっとご紹介してピット記事を締めることとさせていただきます。

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 まずは早くも完成、峰竜太のオールスター優勝記念Tシャツ。賞金額がでっかく書いてありますな―(笑)。

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 石渡鉄兵は東京支部Tシャツ。3場の水面特徴がイラストで描かれてます。江戸川は荒れるもんねえ。

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 センプルくんが覗いてる! 兵庫支部の高野哲史ですね。

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 坂口周の背中には「1000勝記念」という文字が見えていますね。よーく見たら、永井聖美の通算1000勝記念のようです。二人は同期生!

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 毒島誠の背中ですが、これ、ネットなどで話題にもなっている、某キャンデーをモチーフにした「BOAT COMPANY」の背中なんですね。ボートナシの人生は考えられない! ワタシもです!

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 深川真二の背中は……「明日の朝には記憶無」! ダハハ~、ワタシもしょっちゅうです。今節は深川の背中を戒めとして、気をつけます。(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田)