BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――夏空のち梅雨空

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 これだけしっかりと晴れあがったのは、今節初めてだろうか。午前中の豪雨から一変しての天候で、気温はそれほどでもないと思うのだが、ピットはかなり暑く感じられた。特に、強い日差しが直撃する場所は完全に夏である。
 丸亀のピットの一角には屋根のない場所があり、雨が降っていないときにはそこにボートを置いている選手も見かける。今日は長田頼宗と峰竜太のボートがそこにあった。ボートは木製、走れば水を吸うものだ。それを乾燥させようってことなんですかね。もちろん、しっかり乾燥しているほうがわずかであってもボートは軽くなるものだ。

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 ただ、モーターを直射日光にさらすのはあまりよろしくない、のであろう。機械だもんね。モーター本体にはカポックがかぶせられている。長田も峰も同様だった。夏の丸亀ではよく見る光景なんです、これ。丸亀に来るのは18年メモリアル以来なので、まあまあ懐かしく感じました。ちなみに、屋内にあった萩原秀人のモーターにもカポックがかぶせられていた。つまりその直前までは、屋根のない場所にボートを置いていたわけである。

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 この熱暑のなかでも、選手たちは走る走る。1R発売中は水面や係留所に選手の数は案外少なかったのだが、そのなかの一人が松井繁。水面を独占して、何周か駆ける場面もあった。いったん切り上げてペラを外し、ペラ室へ向かう松井の額は汗だく。ウェアの袖で拭いながら、松井は大きく息を吐き出していた。

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 試運転をしていた一人、白井英治もヘルメットを脱いだら大汗をかいていた。この暑さの中、ヘルメットの中はかなり蒸し暑いであろうと想像されるわけだが、それもあってか、白井の顔は赤みをさしてもいた。見ているだけで暑そうですな。ちょっと険しい表情だったのだが、心の声は「暑ぃ~~」であろう。

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 その暑さの中、選手たちの足取りも心なしか重く見える。ハツラツ平本真之も、特に係留所から渡り橋を登るときなど、ゆっくりゆっくり、一歩一歩踏みしめるような歩様であった。やっぱり暑いとそうなるよね。気が付けば、ワタシも移動する際にはずいぶんとスピードが遅くなっているのであった。いやー、暑い。

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 ところが、である。2R発売中の間に西の空の雲行きが怪しくなり、太陽も隠れ、そして2R発走の直前には雨がポツリポツリ。さっきまであんなに暑かったのに、風が涼しく感じるようにもなっていた。梅雨だな―。
 いや、それはいいのだが、ここに置いてある長田と峰のボート、濡れちゃうじゃん。言うまでもなく僕が触るわけにはいかないのだし、これは艇運の方などに雨が降り出したことを伝えたほうがいいのだろうか……。と考えているうちに長田登場! さらに長田は峰に「雨!」と教えていた。というわけで、無事にふたりのボートは屋内に運ばれ、操縦席などが雨に濡れることは免れたのであった。めでたしめでたし。

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 さて、1Rで片岡雅裕が差し切り1着。地元GⅡで嬉しい白星だ。しかし、片岡はまったく気持ちを緩めない。レース後も鋭い表情だったし、着替えを終えてすぐにピットにあらわれて、さらなる調整を試みようと準備を始めていた。昨日は平高奈菜がバースデー連勝。地元勢の意気が上がるなか、選手班長が結果を出した。峰から返還された深紅の優勝旗、このまま丸亀に置いておくべく、さらにピッチが上がっていくことだろう。(PHOTO/池上一摩 黒須田 TEXT/黒須田)