BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――初戦より動き出る

●今日も早くから

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 昨日序盤の時間帯から試運転をしていた辻栄蔵が、今日も早くから水面に出ていた。追い風が強く吹いている今日は、風は冷たいし、水面も荒れ気味だが、それがどうしたとばかりに辻は試運転を繰り返していた。2nd初戦は5着で、今日は巻き返したいところ。そのための準備に余念がない辻である。
 いったん切り上げると、足合わせをしていた中島孝平と装着場のど真ん中で立ち話。そこにも冷たい風は吹きこんでいて、さすがに寒そうに身体を縮めてました。風邪ひかないでね!

●整備室

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 トライアル2nd初戦を終えて、早い時間帯は昨日よりも選手に動きが見られる。整備室にいたのは、まず平本真之。ギアケース調整を行なっていた。初戦1着で、今日はさらに上積みをはかって、6号艇の克服をもくろむ。

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 濱野谷憲吾も外回りの調整。昨日のコメントを見ると、行き足はいいが出足がもう少し欲しいようで、そのあたりを引き出す調整だろうか。初戦と同じ2号艇。二の轍を踏むわけにはいかない。整備室から1Rのエンジン吊りに向かうとき、たまたますれ違うと、濱野谷は小首をかしげて優しく「どうも」と挨拶してくれた。その仕草がなんかかわいかったです(笑)。マスターズ世代のベテランには失礼だけど。

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 本体整備は菊地孝平。トライアル1stを1位で切り抜けながら、2nd初戦は6着大敗。不思議なもので、1stを絶好調で乗り切っても、相手は多少違えど同じモーター同じ水面なのに、2ndでは大きく着を落とす選手がよくいるものだ。菊地にとって、今日は一日早い勝負駆けとなる。明日につなげるための、大きな整備と見ていいだろう。

●余裕

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 白井英治のボートには、なかなかモーターが装着されなかった。1R発売中、ピットにあらわれた白井はジャージ姿。つまりそれまでゆっくり過ごしていたということだ。余裕がある。と言いつつ、これが白井のスタイルでもある。動き出しは遅いのはよくあることで、それは好調の証しと言っていい。

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 峰竜太も、特に作業らしい作業をしているのは見かけていない。エンジン吊りには控室から向かっていたし。初戦1着、足も上々、やはり余裕があるのか。もっとも、顔つきには緊張感が漂っていて、戦闘モードには入っている感がある。それもまた、レースを控えた峰のいつもの姿なのだが。

●シリーズ組

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 予選最終日の勝負駆け。上條暢嵩は本体整備だ。ピンロクピンロクと出入りの激しい成績で、今日は2着以上が欲しいところ。1号艇で確勝を期しての本体整備か。これまでSGの予選突破は一昨年の賞金王シリーズのみ。この1号艇は落とせないところで、地元でしっかり結果を出したいところだ。

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 新田雄史も本体整備。昨日の終盤の時間帯でも本体を扱っているのを見たが、引き続き今日も本体を割っているのだった。3日目終了時点で予選3位、もちろん準優当確。しかし気に入らないところがあるのか、さらなる上積みをはかってか、懸命に整備を続けている。2度目のシリーズ制覇に向けて、かなり本気度が高いと見た。

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 2R、1号艇で水神祭を目指した椎名豊は、磯部誠に差されて惜しくも2着。水神祭は持ち越しとなった。無念。レース後、椎名は先を歩く磯部のもとに駆け寄って、ペコリと頭を下げた。磯部はひとつうなずいたあと、椎名の腰のあたりをポンポンと叩いた。水神祭阻止して悪いな、ってな感じ。相手にSG初勝利が懸かっていても、もちろん緩めるわけがないSGレーサーたち。明日明後日で、なんとかSG初勝利をあげておきたいところだが、磯部にリベンジしての水神祭なら最高ですね。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)