●調整励む
朝のスタート特訓を終えたトライアル組の選手。その後、立て続けにボートを整備室に持ち込む姿が見られた。守屋美穂、細川裕子、小野生奈、大山千広、渡邉優美。5艇を持ち込んでもスペースが充分にある福岡の整備室は広いなあ、などと感慨も沸いたわけだが、つまり早くも調整が急ピッチに行なわれているわけである。この5人はそれぞれギアケースの調整を行なっていて、その後に守屋はプロペラ調整も。前検日に本体を割った真意を聞いてみたかったのだが、移動は常に駆け足で、呼び止める隙がない。たった3戦のトライアル、ゆっくりしている時間などないということか。
装着場にあった田口節子のボート。プロペラが着いたままで、比較的余裕があるのかと見受けられた。畠山の見立てでは前検での気配は良かったとのこと。朝の特訓もいい雰囲気だった。田口自身手応えを感じているか。
と思ったら、渡邉がボートを整備室から運び出した後に、田口がボートを整備室に持ち込んで、渡邉のボートがあった場所に移動した。この入れ違いは偶然なのかもしれないが、田口も決してのんびりしているわけではないのであった。
その次にボートを運び出したのは大山。こうして続々と次の調整に取り掛かっていくのだろう。と思いきや、今度は寺田千恵がボートを整備室へ。そして寺田は本体を外した! 本体整備を始めたのだ。今朝、トライアル組で本体に手をつけたのは寺田のみ。どんな手段を繰り出すのか。
●オッケー
スタート特訓の後、ボートを引き上げなかったのは3人。遠藤エミ、平山智加、西村美智子だ。遠藤は係留所にボートを着け、すぐさまプロペラ調整へ。昨日ほどビシビシ叩いてはいなかったが、今日も一日、レース直前まで調整が続くだろう。
平山と西村はレース間に試運転もしている。3R発売中、西村はいったんボートを陸に上げた。そこに谷川里江がやって来て、西村は笑顔でオッケーポーズ。谷川もうんうんとうなずいていた。西村、好感触か! 初出場ながら、大暴れあるかも。
●プロペラ調整も
福岡ビッグのたびに書いているが、福岡のペラ調整所は3カ所。整備室の奥の調整室、整備室出入口脇のスタンド調整所、装着場の片隅にある屋外調整所。海野ゆかりは奥の調整室でプロペラと向き合う。隣にはやはり角ひとみがいて、海野にとって大きな支えになることだろう。
細川裕子は出入口脇。装着場側から見ると背を向けているので、その詳細な感じはわからないのだが、落ち着きが感じられる。
小野生奈は屋外なのだが、今日もビシバシ強打! 時に立ち上がって叩いていた。もっともこれは小野が大きく叩き変えるときによく見せるスタイルでもある。とにかく「引きたくなかった」16号機に活を入れるべく、懸命の調整が続く。
●シリーズ組
3R、ここまでゴンロク続くだった蜂須瑞生が4コースからまくり差し1着。好機74号機をようやく活かしてみせた。ただし、レース後はあくまでクール。特に頬をほころばせることもなく、対戦した5名に頭を下げているのだった。蜂須から外に流していたワタシは、祝福しながらも複雑な思いで見つめるのみ……。
2Rは大橋栄里佳が金田幸子の攻撃をしのいで逃げ切り。勝利者インタビューを受けると、そのまま黄色いカポックを身に着けて水面に飛び出していった。早っ! そう、後半は6Rと時間がないので、休む間もなく着水したという次第。グランプリもそうだが、シリーズ組はレース間が短い選手がいたりして、レース後は慌ただしい雰囲気もあるのである。6Rも頑張れ!(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)